前回に引き続き、フランスの名女優、ジャンヌ・モローのエイジングにまつわる名言をご紹介したいと思います。

映画『小間使いの日記』の劇中写真より。ファム・ファタルと呼ばれたジャンヌの小悪魔っぷりが垣間見えるような一枚。

「自分の顔のシワが好き。このシワは生きることの辛酸が刻まれた自分の人生の地図だから」

若い頃はブリジット・バルドーと比較されたりして「不美人女優」と言われていたジャンヌですが、彼女の魅力って、こういう知的さが垣間見えるかっこいいセリフを、さらっと言えちゃうところだと思うのです。口にする言葉にもパリジェンヌらしい“粋”とか“軽やかさ”を感じるんですよね。女優だけでなく雑誌を制作したり映画の脚本を書いたり、多彩なキャリアに、たくさんの愛した男たち。ひとりの息子に、2度の結婚。——そんな波瀾万丈かつ充実した人生を歩んで来た彼女が言うからこそ、負け惜しみなんかではなく、とても説得力がある言葉に聞こえます。

「今までに愛した男たちのことは、これからもずっと愛し続けて行くと思うわ」

自他ともに認める恋多き女。デザイナーのピエール・カルダンのことは、彼が同性愛者にも関わらず好きになり、自分に振り向かせたことも。「家が欲しいわ。愛した男ひとりにひとつずつ部屋をあげてみんなで住むの」とも発言。通常、「女性の脳は上書き保存」と言われ、新しい恋人が出来ると過去の恋人の記憶は抹消したくなるものですが、ジャンヌの場合は過去の恋人全員と友達づきあいをしていたというから、よっぽど愛情深い女性だったのかもしれません。ちなみにジャンヌ様は「付き合った男の共通点? 私よ」という、自信満々な名言も遺しています。言ってみたい。というか、その自信、分けていただきたい……(笑)!


まだまだご紹介したい名言がたくさんあるので、次回に引き続きます!

写真:Photofest/アフロ