私の時計と人生のはなし

2017.11.15

大切な思い出を蘇らせてくれる
“人生の目盛り”・・・ byファッション ディレクター 龍淵 絵美

パテックフィリップの「ノーチラス」。夫自身は、ビジネスで達成感を得た記念に手に入れたそう。主張のあるリングを盛って、モードに着けこなしています。

時計はひとつの自己表現であり“名刺代わり”というのが、私のスタンス。だから時計を選ぶ基準は、年齢にふさわしいクラス感と、自分のファッションやキャラクターにマッチするかどうか。私の場合は、華奢でフェミニンな時計を選ぶことは、まずないですね(笑)。

このパテックフィリップの「ノーチラス」も、ビッグフェイスのマニッシュな時計が欲しいと思っていたところ、夫が譲ってくれました。時計好きにはたまらない逸品なので、時計通に褒めていただくことも多々。かなり存在感がありますが、私好みのストリートモードに品格を添え、逆にエレガントな着こなしにはミックス感を纏わせてくれるので、意外とどんなシーンでも活躍してくれるオールラウンダー。最近は、リングをたっぷり重ねづけして、今っぽく迫力のある手元をつくるのがお気に入りです。

さらに言うなら、時計は、さながら“人生の目盛り”。二十歳の記念に両親から贈られたカルティエや、結婚した年の誕生日に夫からプレゼントされたヴァセロン コンスタンタン、そして、子育てに少し辛さを感じていた頃に譲ってもらい、日々の励ましのひとつとなったこのパテックフィリップなど、人生の節目に贈られることも多いので、折に触れ、当時の気持ちや情景を蘇らせてくれます。人生の記憶をいっそう深く刻んでくれるもの。時計には、そんな役割もありそうですね。


CREDIT:
左手
上2本のリング/レポシ
ライオンヘッドのリング/グッチ
下2本のリング/ハリー・ウィンストン

右手
リング/シャネル
ブレスレット/ティファニー

PROFILE 龍淵 絵美さん

『フィガロジャポン』『エル・ジャポン』『ハーパスバザー』の編集者を経て、現在は『エル・ジャポン』ファッション マーケティング ディレクター。歯に衣着せぬ語り口で核心をつく独創的なワードを繰り出し、周囲を感嘆させることもしばしば。ファッションは、ストリートとフェミニンをミックスした大人のモードスタイルが好み。

構成・文/村上治子