「一汁一菜」とは、ご飯があって、それに汁(汁物)と菜(おかず)が1品ずつという、和食のもっともシンプルなスタイルのこと。
「家族が満足なら、毎日のごはんはもっと気楽で、もっと自由でいい」という料理家の武蔵裕子さんに、新刊の『15分で一汁一菜』(講談社)より、調理がラクになるコツを伺いながら、15分で完成の一献立を教えてもらいました!


簡単チキン南蛮風献立


チキン南蛮と聞くと、「おいしいけど、手間がかかるよね」と思いがち。ところがこれはあっという間に完成の一品。ちょっとした時短のコツが、凝縮されているからです。
豆苗のスープも、根元を切り落とすだけで下ごしらえ完成のお手軽素材・豆苗を使い、卵も溶くだけでOK。下ごしらえが簡単&短時間で火の通る素材を選ぶこと、おいしい和風だしを常備すること。ほかにテクニックもいりません。

「簡単チキン南蛮風しそマヨだれ」

 材料(2人分)
・鶏から揚げ用肉 300g


・青じそ(みじん切り) 2~3枚
・マヨネーズ   大さじ3
・牛乳   大さじ1
・こしょう   少々

・ポン酢 カップ1/3
・塩・こしょう 各少々
・小麦粉 適量
・サラダ油 大さじ4
・キャベツ(太めのせん切り) 大2枚

 作り方 
① 鶏肉は塩こしょうをふり、小麦粉を薄くはたきつける。Aは混ぜ合わせる。
② フライパンに油を中温(170℃)に熱して①の鶏肉を入れ、3~4分揚げ焼きにする。表面がカリッとしたら取り出して油をきり、熱いうちにポン酢につける。
③ 器に②を盛ってAをかけ、キャベツを添える。

 時短のポイント 

切ってある鶏肉を選ぶ

 

鶏肉を切るのにもちょっと時間がかかり、まな板も汚れます。そこであらかじめ切ってある肉をチョイス。より早く仕上げたいときの時短ポイントの一つです。

少ない油で揚げ焼きに

 

大量の揚げ油は熱するだけでも時間がかかるし、油の処理もひと手間。そこでフライパンを使い、少ない油でさっと揚げ焼きに。後片付けもぐっとラクになります。

キャベツは太めのせん切りに

 


揚げ物とキャベツのせん切りは相性抜群。せん切りも細くと思うと手間がかかりますが、太めでももちろんOK。ちょっとしたことですが、気も楽になります。

「豆苗の卵とじスープ」

 材料(2人分)
・豆苗 1/3袋
・卵 1個
・水 カップ2
・だし汁  小さじ1/3
・塩 小さじ1/3
・こしょう 少々
※和風だしは市販のだしで代用可。作る場合は《水1L、昆布10cm長さ1枚、削り節15~20g、塩と砂糖ごく少々》を容器に入れて冷蔵庫で一晩置いておくと完成。冷蔵庫で一週間保存可能。

 作り方 
① 豆苗は根元を切り、ザク切りにしておく。卵はよく溶いておく。
② 鍋に水と和風だしを入れて煮立て、豆苗を入れて塩こしょうで味を調え、煮立ったところに卵を回し入れてふんわりしたらすぐに火を止める。

 時短のポイント 

水だしを常備しておく

 

水だしを冷蔵庫に常備しておくと、手間がかかからずにおいしさが実感できます。煮出したりこしたりする手間は不要で、材料と水を容器に入れて一晩おくだけなので、作るのも本当に簡単です。

武蔵裕子

料理研究家。両親と息子2人という3世代の食卓を、長年切り盛りしてきた著者。毎日の暮らしの中から編み出されたレシピはどれもムダがなく、それでいて愛情たっぷり。書籍や雑誌のほか、企業のメニュー開発や講習会などでも活躍中。著書に『魚焼きグリルでかんたん本格レシピ(グリルプレートつき!)』(世界文化社)、『体にいい 時短おかず』(永岡書店)、『「水だし」&「野菜水だし」』(主婦の友社)など多数。

 

『15分で一汁一菜 毎日のごはんはこれでいい!』
武蔵裕子 著 講談社刊 1200円(税別)

レシピ数155品! 「作りおき」さえ必要なし! 簡単。早い。ムダがない。大満足の時短献立!  忙しい家庭にとって毎日のごはんは"戦争"です。栄養は大切、作りおきは面倒、ゆっくり調理する時間はない……そんな人のために、「15分で完成」「一汁一菜」というくくりで応援します。家族が満足できるなら、毎日のごはんはもっと気楽で、もっと自由でいいはず。その考えのもと、満足できる究極の時短献立を紹介します。

・第2回「すぐマネできる時短調理アイデア5つ」 はこちら>>

・第3回「冷蔵庫の残り野菜使いきりレシピ」は1月19日(金)公開予定です。

構成/庄山陽子(講談社) 撮影/嶋田礼奈(講談社)