2018.5.10

【シネマコレクション・17】
子供たちが、そして私たちが生きていく道を問う『未来を生きる君たちへ』

米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

写真:Everett Collection/アフロ

『未来を生きる君たちへ』の舞台は、紛争が続くアフリカとのどかに見えるデンマークの町。

一見まったく関係ないように見える場所を通して、地球上のどこにでもありえることを描いた映画だと感じました。
戦争、貧困、いじめ、弱肉強食、夫婦のすれ違い……。自分にもあてはまる難しい問題が突きつけられますが、最後にはやさしい気持ちになれる映画です。

主人公が医師として働く難民キャンプの病院の様子にとてもリアリティがあって、実話の映画化だと思ったほど。
ときにはギャングもやってくる野戦病院のような環境で厳しい現実に向き合う、主人公の葛藤も伝わってきました。

未来を担う子どもたちが、これからどう生きていったらいいのか。両親や学校からの教育によって押し付けられるのではなく、子どもたちがお互いの関係性のなかで学んでいくところもすごくよかった。

大人のつらさと子どものつらさ、両方が描かれていたと思います。
単純に“悲しい”とか“楽しい”だけではなく、観たあとで複雑な感情もわきあがってくる、私好みの映画でした。

 

『未来を生きる君たちへ』
アフリカの紛争地帯で働く医師のアントン。彼の家族が住むデンマークでは、息子がいじめに遭っていた。女性監督、スサンネ・ビアが復讐というテーマに向き合った、アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2011年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。

 

PROFILE

米倉涼子/1975年、神奈川県生まれ。ミュージカル『シカゴ』に主演、ブロードウエイで日本人女性としては初めて2度の舞台を踏む。代表作にドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズ(テレビ朝日系)など。スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの吹き替えを務める『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が、4月27日公開予定。