レストランの運営だけでなく、TVドラマやCMのフードディレクション、ケータリングなど、日々忙しい生活を送るフードディレクターの野村友里さん。それに加えて、最近は海外や地方を訪れ、そこに根付く個性豊かな食材や調理法を発掘する旅に出ることも多い。食にまつわる旅、うらやましくもあるけれど、胃腸や体の疲れはどうしても蓄積してしまう。

そんなとき、野村さんがよく作るのが「湯葉丼」だ。柔らかな平湯葉に葛でとろみをつけたお出汁を注ぎ、さらにふわりとなったところをご飯にかけて、ふうふうと冷ましながらいただく。心に染みいる優しい味は、寒い日の朝ごはんや食事会の〆などに最適だそう。

 

「湯葉丼」

 材料(作りやすい分量)
・生平湯葉 4枚
・ご飯 適宜

銀あん
・だし 300ml
・薄口醤油 大さじ2
・みりん 小さじ2
・塩 少々
・葛、水 各大さじ2

・わさび(おろす) 適宜

 作り方 
① 湯葉は食べやすい大きさに切る。
② 銀あんを作る。鍋にだしを入れてひと煮立ちさせ、薄口醤油、みりん、塩で味を調え、分量の水で溶いた葛を加えてとろみをつける。
③ 2に1を加え、ほぐしながら温める。
④ 器にご飯を盛り、3をかけて、おろしわさびを添える。
※湯葉の他に、油揚げや豆腐で作ってもおいしい。


今回の湯葉丼は、昨年末に発売された野村さんの最新刊『春夏秋冬 おいしい手帖』に掲載されているもの。他にも鰈の一夜干しや百合根のお椀、おでん、また自分で仕込む「手前味噌」の作り方など、試したことはなくても「意外に堅苦しくなくて簡単そう!」と思える和食が130レシピも掲載されている。祖母や母から受け継いだ日本の料理を、野村さん流のアレンジを加えて軽やかに表現したものだ。
「年末年始に酷使した胃腸を休めるには、体になじんだ和食が一番! ぜひいろいろチャレンジしてみてください。」

野村友里

フードクリエイティブチーム〈eatrip〉主宰。ケータリングやTVドラマ、CMのフードディレクションなど、多岐にわたる活動を通して食の可能性と愉しさを伝えている。

 

<新刊紹介>
『春夏秋冬 おいしい手帖』
野村友里 著 マガジンハウス刊 2900円(税別)

野村友里が作る、母たちから受け継いだ日本のレシピ130。旬の素材と昔ながらの製法で調理された和食を、写真家・戎康友の視点で鮮やかに切り取る。『Casa BRUTUS』で4年続いた連載に新しい料理を多数加えた、完全保存版のレシピ本。


・第2回「おもてなしにもぴったり! 脱・マンネリな「大人の鍋」。」 はこちら>>
・第3回「野村友里さん特製! 冬に作りたい簡単お茶菓子。」 はこちら>>

構成/真田奈奈(マガジンハウス) 撮影/戎康友、永禮賢(野村さん)