10年ほど前に、パリで衝動買いしたカルティエ「タンク ソロ」。手元は、毎日、その日の気分で選んだリングをコーディネートしていますが、存在感があるのに主張し過ぎない「タンク ソロ」は、服はもちろん、どんなリングとも好相性。

オンオフを問わず必ず着けているほど時計好きなので、ふと気づけば、ゴールドやシルバーカラー、ダイヤ入り、ブレスレットタイプ・・・と、様々なタイプが集まりました。しかも見直すと、そのすべてがスクエアフェイス。きっとこの、どこか凛としたエレガントさが自分にフィットするのだと思います。

日頃、いちばん登場回数が多いのは、カルティエのシンプルな「タンク ソロ」。シーンも着こなしも選ばない万能選手ですが、さすが、ブランドのシグネチャーコレクションには、永遠の説得力がありますね。同じタンクでも「タンク ディヴァン」は、横長のデザインが個性的。インパクトがあるので、着こなしのアクセントとして活躍してくれます。

また、「タンク フランセーズ」は、レザーベルトのダイヤ入りをセレクト。ダイヤモンドの煌めきは見るたびに気分が上がるので、なんとなく“後押し”が欲しい日に手に取ることが多い気がします。「ディオール」のゴールドのバングルタイプは、まさにジュエリー感覚。特に、夏の装いに合わせたくなる1本です。

手首側から、「ディオール」、カルティエの「タンク フランセーズ」、「タンク ディヴァン」。タンク ディヴァンは、最近、ベルトを赤に替え、よりインパクトのある表情に。シンプルな服のポイントとして重宝しています。

最近は、時間を見るにもケータイを使っている人が多いようですが、私は“ケータイとにらめっこ”している姿を、あまり美しいとは思えません。やはり、時間は時計で確認したいし、メモをするなら手帳に書き留めたい。モノの持つ役割を大事にするということは、今はある意味、手間のかかる、贅沢なことなのかも。ただ、そうは思いながらも、できるだけ、時の流れを丁寧に送るように心掛けたいですね。


CREDIT:
人差し指のリング/インドで購入したオパール
中指のリング/シャネル
小指のリング/ヒロタカ
ニット/トゥモローランド
スカート/ドリス ヴァン ノッテン

PROFILE 酒井美方子さん

スタイリスト&ファッションディレクター。モード誌から広告、女優のスタイリングまで幅広く活躍中。アクセサリー好きで、デイリーに使いやすいのが魅力のアクセサリーブランド「MIHOKO&SAKAI」をプロデュース。趣味は筋トレと旅。Instagram:@mihoko_sakai

構成・文/村上治子