はっとするほど鮮やかな紫色のチューリップ。買って帰らずにはいられない色でした。まだ固い蕾でしたが、翌日には柔らかく開いていました。季節を飾る、ということはとてもシンプルなことなのだと思います。しつらえや節句もその1つですが、花は野菜同様、旬のものがすぐにわかります。私は大抵、お花屋さんの店先にある1束いくらの花を買います。季節の花は安く新鮮で、命の息吹を感じるからです。たおやかなチューリップも、香りのヒヤシンスも、そう長く花屋に並ぶわけではありません。季節はすぐに巡ってしまい、時間に追われていると見落としてしまう。花を飾ることで少しでも、季節を暮らしの中に留めたいと思うのです。

ヒヤシンスは香りを飾るつもりで。濃いブルーも淡いブルーも美しい。

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