ベトナムの人は、男も女も何ともいえず色っぽさが漂う。サイゴン(ホーチミン)で夜と花を求めて撮影した写真で展示をした時の作品。 

この度、ミモレで連載を始めることになりました、在本彌生です。フリーランスのフォトグラファーとして活動しています。今の仕事で一本立ちして12年余り、そんな私ですが、以前はイタリアの航空会社で乗務員として14年勤務していました。何故写真の道に進んだかといえば、偶然というか、運命というか、非常に些細な出来事からでした。乗客の方との会話の中で「君みたいに色んなところに行く人なら、カメラでも持ってあちこちで写真を撮ってみたら?」そう勧められたのです。慌ただしく過ぎていく時間の中、何か目に見える形で残っていくことをしたい、そう渇望していた私は、勧められるがままコンパクトカメラを買い、行く先々で写真を撮り、その面白さにすっかりハマりました。個人的なライフワークとしてはじめた写真でしたが、30を過ぎた頃から他の人と写真の情報を交換したくなり、仕事の傍らワークショップに参加したり個展を開いたり... 

  • ミャンマーのイラワディ川で、材木を運ぶ男たち。世界中のチーク材の多くはこの川を使って運ばれる
  • スペインのセビリアにて、闘牛士の着替えを撮影した。土俵入りする力士のように闘うまでの準備が儀式のよう。
  • ベトナムホーチミンの花市場、この市場で荒っぽく扱われる蘭は逞しくて妖艶でかっこ良い。
  • エチオピアの旅の途中、フライトがキャンセルになり手配されたホテル、ピンクの内装がキッチュだった。
  • 何を思っているのかしら、女は船に乗る。イラワディ川を眺めながら。
  • ギリシャのヒオス島を一人歩いていたら見つけた力強いオブジェ。魔除け?まじない?何でも良いが好きなので撮りました。
セビリアの市場で働く男。仕事が早く終わるから早くから呑めるのです。

その末幸運にも雑誌の撮影の仕事を頂けるようになり、二足のわらじの3年間を経て、36才を迎えた年に写真集を出版し、乗務員を辞めました。全く何の保障もありませんでしたが、折角自分がのめり込めるものに出合ったのだから、この道に進んでみようと決めたのです。それから今日まで、必死の12年が飛ぶように過ぎていきました。行く先々でその土地の生活に触れ、写真におさめる、それが面白くて難しくて、楽しい。どこまでも終わりのない仕事を選びました。

これからも魅力的な被写体を求めて出掛けて参ります。

 

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