2018.5.4

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』が描く逃れられない宿命

こんにちは。編集・川端です。GWいかがお過ごしですか。ミモレは休まず更新です。と言っても、予約投稿というのができるので、各自しっかりお休みをいただいています^^。

さて今日から数回に分けて、最近観た映画、ネット配信ドラマで心揺さぶられたものをご紹介したいと思います。あ、本も!

まずは、米倉涼子さんがミモレ連載でもご紹介されていた『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』。今日、5月4日から全国公開です。

アメリカのフィギュアスケート選手、トーニャ・ハーディングの波乱に満ちた半生を描く実話に基づいた作品。ライバルだったナンシー・ケリガン選手襲撃の真相とは……。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』 配給:ショウゲート © 2017 AI Film Entertainment LLC.

1994年のリレハンメルオリンピックで、トーニャ・ハーディングが演技開始後、突然泣き出したかと思ったら、紐がどうのと言って審査員テーブルに詰め寄った上のシーンは、私もおぼろげながら覚えています。 

この映画、私は飛行機の機内で観ました。暗くてつまんなかったら途中でやめよう……くらいに思って見始めたのですが、トーニャとトーニャの母親のぶつかり合いに目が離せず、知らなかったトーニャのその後(プロボクサーに転身)した姿に涙・涙!!

予想に反して、ナンシー・ケリガンvs.トーニャ・ハーディングのライバル対決はあまり描かれていません。衣装を買うお金もなく、ヒールになる道しかなかったトーニャと、生まれ持った華やかさのある悲劇のヒロイン・ナンシー。わかりやすい少女漫画的な白鳥vsブラックスワン、あるいは姫川亜弓と北島マヤ的な物語にもできたでしょうが、そうは描いていないところがこの映画の魅力です。

この映画でフォーカスされているのは、白人貧困層と富裕層の格差や断絶。貧しさと教養のなさが悲劇に悲劇を呼ぶさまが痛いほどに描かれます。特に男性陣はクズばかり! バカバカバカ!と殴りたくなる男性しか出てきません(笑)。

見終えて、トーニャはどう生きたら、こういう事件にならずに済んだんだろうとすごく考えさせられました。シニカルなジョークも笑顔も愛嬌があるし、勝気で無鉄砲なところも選手としては大事な才能だったと思います。史上2人目となる女子でトリプルアクセルを飛べるズバ抜けた運動能力がありながら、芸術性・表現力が足りないと(審査員たちに好かれてなかった)得点が伸びないトーニャ。フィギュアスケートというスポーツの特殊性も、彼女の不遇を際立たせます。たとえ、襲撃事件がなかったとしても、トーニャ・ハーディングが金メダルに輝くことはなかったのではないか……そんな悲しい宿命さえ感じました。

でも、あまり深刻な難しいことを抜きにして、80年代のファッションや音楽、圧巻のスケートシーンはアドレナリン出まくりでっす!

 


アメリカ公開当初(昨年12月)はたった4館上映だったのが、話題が話題を呼びなんと800館になったそう。トーニャ・ハーディングを演じたマーゴット・ロビーと、その母親を演じたアリソン・ジャネイは、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞ともにダブルノミネート。観れば納得です!

映画『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』公式サイト

お時間合いましたらぜひ❤︎

明日は、Hulu&Amazonプライムで配信中の「ビッグ・リトル・ライズ」について書きたいと思います。ハマった方、いらっしゃるでしょうか!

ではではまた〜。