心を解き放ち、自分を癒すと
喘息も自然に治っていった

そんな時任さんを救ったのが、生まれつき持っていたスピリチュアルな力だった。幼い頃から他の人には見えない霊が見えたり声が聞こえたりしていたが、21歳のときには幽体離脱も経験。心底怖かったが、そんな悩みを口にすると周囲から心を病んでいると言われそうで、誰にも告白することができず、そこから意識を遠ざけようと努めて来た。だが32歳のとき、家族で移住したニュージーランドで、ようやく自分の心を解放することに。

「健康と心の安定を取り戻すためにも、自己流ですが、自分で自分をカウンセリングし始めたんです。子どもの頃の映像を心のなかにイメージし、そのなかに入っていって幼い私を抱きしめたり、明るい色の洋服に着替えさせてあげたりして、自分を癒していく。そのなかで、あれほど苦手だった父のことを無意識のレベルで実はすごく愛していることに気づいたんです。これまで自分でも気づかなかった正直な思いにたどり着いたとき、大泣きしたのを覚えています。でも、それがきっかけになったのか、次第に喘息も治っていった。後になって、そのとき自己流でやっていた方法は、カウンセリングの現場でよく使われるヒプノセラピー(催眠療法)という手法だったと知りました」

 

コンプレックスが仕事に
40歳で人生の転機が訪れる

帰国後は心理カウンセラーの学校に通い、資格を取得。そして40歳の頃、今の仕事に結びつく大きな出来事が起こった。

「ある夜、布団のなかでウトウトしていたら、急に頭の中にイメージが浮かんだんです。それは、脳梗塞で倒れて長年微かな意識しかないという友人のお母様から、彼女へのメッセージ。とても大切な言葉だと思ったので、『頭がおかしいと思われるかな』と不安を抱きつつも伝えたところ、聞いた瞬間、彼女は号泣して。後から知ったのですが、当時の彼女は大きな闇を抱え、自殺すら考えていたそうです。その後しばらくして、彼女とそのご主人から、個人的にカウンセリングをしてほしい、と連絡がありました」

以降、口コミで評判が広まり、数多くの人が時任さんのカウンセリングを受け、救われ続けている。

「他の人には見えないものが見えてしまうという自分のコンプレックスだったことが仕事になり、誰かの役に立てるなんて、想像すらしていませんでした。『健康に、普通に暮らせたらいいな』というのが私の願いだったけれど、今は普通どころか元気すぎて、周囲の人にビックリされちゃうくらいです(笑)」

 

■プロフィール
時任千佳/ライフコンサルタント

 

1966年、福岡県生まれ。幼い頃から不思議な体験を繰り返す。モデル・女優として活躍後、結婚。芸能界を引退し、3人の子どもの母となる。結婚と前後して、自らのスピリチュアルな能力に目覚め、ごく親しい人たちを中心に個人セッションを行う。みんなが幸せになるためにどうしても伝えたかった初の単行本『いいことしか起きない30のルール』に続き、奇跡は起きたがっている!』(ともにマガジンハウス刊)も発売中
公式サイトはこちら。

撮影/玉井俊行 取材・文/いなも あきこ

インタビュー後編は、5月2日(土)更新です! お楽しみに!!