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【光野桃 短期連載③】
オードリー・ヘップバーンに学ぶ「黒タートルはシルエット」

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光野桃さんがミモレに帰ってきました…! 新刊の発売を記念してスタートした短期連載。おしゃれのヒントが詰まった一冊から、ミモレ読者に役立つセレブの着こなしアイデアをピックアップして掲載します。一覧ページはこちらです。ぜひご注目ください!(川良)

 

黒タートルはシルエット


 黒のタートルセーターは、服というよりシルエットと考えたい。
 くっきりとした漆黒の影が中心にできることで、上に重ねるジャケットやコート、パンツなどの印象がより際立つ。それも、強いコントラストによってドラマチックに映えるのだ。
 よいシルエットにするためには条件がある。身体にぴったりとフィットしていること。これは黒タートルだけに言えることで、タートルでも他の色だとまた違ってくる。
 フィット感のポイントはまず、肩から二の腕、手首にかけての袖。無駄なゆるみがなく、かといってピチピチでもなく、小さな丸い肩から細い二の腕がすらりと伸びる、といったシルエットが大事。できれば袖丈は通常のプルオーバーよりも長め、手首を隠すくらいの長さがあるといい。伸縮性のある上質の素材だと、着るひとの体形に拘らず、そんな「マネキン人形の腕」を演出してくれるものもある。
 もうひとつのポイントは首。ここも無駄なゆるみがなく、しかしきつそうにも見えないすっきりとした筒形になっていることが大切。首を長く細く、その上にのる顔を三割くらい小顔色白に見せてくれる。
 黒タートルと言えば、オードリー・ヘップバーンの「パリの恋人」を思い出す。小鹿のようなオードリーの愛らしさを存分に生かすための黒タートルとカプリパンツ(ハイウエストでぴったりした七分丈のパンツ)はシルエットの役割を大いに果たしていた。あんなに体形が出るスタイルはもうできないが、バレエシューズを黒スニーカーに替え、オードリーのようにトレンチコートをさっと羽織って出かけようか。

(光野桃『白いシャツは、白髪になるまで待って』より引用)

 

 

『白いシャツは、白髪になるまで待って』
刊行記念トーク&サインイベントのお知らせ


日時:2018年6月2日(土)14時〜

場所:HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE(日比谷シャンテ3F)

内容:光野桃さんが刊行記念トークショーを行われるそうです!参加者へのワンポイントアドバイスも。トークショーへのご参加はフリー、サイン会当日までにHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE(日比谷シャンテ3F)で新刊を購入、またはお電話で予約して取り置きされた方はサイン会にも参加できるとのこと。光野さんと直接お目にかかってお話しできるチャンス!イベントの詳細は下記をご覧ください。
http://www.hmv.co.jp/store/event/33616/

 

 

<新刊紹介>
『白いシャツは、白髪になるまで待って』
光野桃 著(幻冬舎)定価1300円(税別)

「60代になって、びっくりするほどおしゃれが自由に、楽しくなった」。そう語る光野桃さんが「年齢を重ねてからの80のおしゃれのヒント」を本にまとめました。それらは「ベージュには黒」「陰影をブルーで着こなす」「毎日デニムとローファーだけで」「あえてノースリーブを着る」「変わりたいとき、メガネを変える」など、実際に毎日の着こなしに役立つものばかり。決して「こうしなくてはならない」というものではなく、「こっちのおしゃれも楽しいですよ~」手招きしてくれているよう。40代の「おしゃれと生き方の
トンネル期」を抜けた先には、こんなに爽やかで自由な未来が広がってくるのかと思える一冊です。


特別寄稿/光野桃 
構成・文/川良咲子(編集部)
写真/アフロ