米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

写真:Everett Collection/アフロ

ジョニー・デップが主演した『ラム・ダイアリー』。
年代のプエルトリコを舞台に、お酒ばかり飲んでいるジャーナリストが、いろんなアクシデントに巻き込まれていくお話です。アメリカ人資産家の婚約者と恋に落ちたり、土地開発をめぐる癒着に気づいて策略に巻き込まれたり、主人公の毎日はまさに波乱万丈! ゆるい南米のムードも独特で魅力的だし、はっちゃけたキャラクターも面白い。
でもなぜか観ているこちらが置いてけぼりというか、仲のいい男たちが「あのときは最高だったよね!」と懐かしがって、自分たちだけで盛り上がっている感じがしてしまいました。

観終わってから、製作もつとめたジョニーはこの映画の主人公のモデルである、故ハンター・S・トンプソンと交流があったと聞いて納得。主人公の生き方を敬愛するジョニーの思い入れが強すぎて、入り込めなかったのかもしれません。
ジョニーとしても『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかチャーリーとチョコレート工場』ような“キャラもの”ではない人を演じたかったのかな。
こういう破天荒な人生録は男性の方が好きそうだから、彼氏と一緒に観る作品としてならぴったりかも。

あ、最後にひとつ、アメリカ人資産家を演じるアーロン・エッカートがものすごくエレガントでかっこいいので、ジョニーだけではなく、彼にも注目して観てくださいね!

『ラム・ダイアリー』
’60年代、プエルトリコにやってきたひとりのジャーナリスト。アメリカ人企業家の婚約者と恋に落ちた彼の、危険な恋と仕事を描く。故ハンター・S・トンプソンと親交のあったジョニー・デップが、彼の原作を自身の製作、主演で映画化した念願の企画。破天荒なジョニーの魅力がたっぷり!

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2012年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。