一田さんオススメ
時間をかけずに日々を豊かに楽しむ5つの知恵


1.ワンピースは最強の大人オシャレアイテム


 

40代を過ぎると、カジュアルすぎずフォーマルすぎず、という服装を求められるシーンが増えてきます。そんなときに、迷う時間を減らしてくれるのがワンピース。一枚羽織るだけでサマになるので、持っておくととても便利です。私が普段から愛用しているのは、セレクトショップ「ダジャ」で買った「ミシェル・ボードアン」のもの。少し丈が長めのものに、足下はローファーを合わせて、大人っぽさと子供っぽさのバランスをとったり。お気に入りのワンピースが一枚あると、どんなシーンでも自分らしくいられる気がしています。


2.今あるもので暮らしを楽しむ


暮らしを楽しもうと、ついいろいろな雑貨を購入してしまう人は多いのではないでしょうか。その結果、買ったことじたいを忘れてタンスの肥やしになってしまう……。私もかつてはそうでした。そこであるときからできる限り新しいものは増やさず、できる限り今あるものでやっていこう、と決めたんです。器もついつい新しいものを買ってしまいがちですが、このように木皿にカップを乗せれば、自前のカッププレートに変身します。今あるもので楽しむ工夫をする。そうすることで、物に振り回される時間は驚くほど減るものです。


3.整理整頓は、自分が分かればいい


暮らしを楽しむためには、やはり片付けは欠かせません。その片付けといえば、物の置き場所を決めておいて使ったら必ずそこに戻す、というのが基本ですが、いざ戻そうとすると、その置き場所が「どこだったっけ?」となりがちです。そこで私がとったのが“とりあえずラベリング”。IKEAや無印良品などで同じ箱をいくつか買って、それぞれに「大工用品」「テープ類」「薬」などラベリングするんです。それも何かのテープにペンで書いて、ビリッと切って貼り付けるだけ。これを綺麗にパソコンで打って、などとやろうとすると挫折しますから。そしてもう一つのポイントは、箱の中は整頓しないこと。下着でもカラトリーでも、ポンポン放り込む。どうせ見えませんから(笑)。40代を過ぎてようやく、「外が綺麗ならいいじゃん」と手が抜けるようになったのです。


4.楽しみはすべて昼ご飯に


 


私はパンが何より好きなのですが、暮らしのプロの方たちは皆、「朝に糖質をとると眠くなって仕事がはかどらない」とおっしゃるので、泣く泣く朝のパンを諦めました。そうして朝食はグリーンスムージーだけにしたのですが、その分、昼は好きなものを全部詰め込むことにしたんです。週末しかオープンしない横浜の「オン・ザ・ディッシュ」のパンに、自分で作った文旦ジャムをたっぷり塗り、大好きな蒸し野菜もいただく。もうこれが楽しみで楽しみで、午前中はどんなに大変な原稿が入っていても頑張れるんです。


5.“気分”を大事にする


いつもテキパキ動いてやらなくてはいけないことをすぐ片づけていく、誰でもそれが理想です。でも、どうしても気分が乗らないというときはあるもの。かつての私は、そんな自分を「ダメだなあ」と反省していました。でもあるとき気づいたんです。この「気分」のムラは、実は自分なりにバランスを取ろうとしているのではないか、と。ずっとテキパキモードばかりだと疲れてしまうもの。そうではなく、気分に任せて時々は思いっきりウダウダすることで、気持ちがリフレッシュしてまたテキパキ動けるようになるんじゃないか、と。自分の「気分」と上手に付き合うことは、実は暮らしを楽しむ時間を増やしてくれると思うのです。

 

『丁寧に暮らしている暇はないけれど。時間をかけずに日々を豊かに楽しむ知恵』
一田憲子 著 1380円(税別) SBクリエイティブ

家事に子育てに仕事に、と忙しい人のために、時間をかけずに家の綺麗を保ったり、おしゃれを楽しんだりする方法を授けてくれた一冊。「掃除」「片付け」「ごはん」「おしゃれ」「なんでもない時間」のテーマ別に、暮らしの編集・ライターである一田さん厳選の知恵がぎっしり詰まっている。

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撮影/目黒智子
取材・文・構成/山本奈緒子
 
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