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6月の半ばを過ぎる頃から、そわそわと、
密かに期待していることがある。
義母から毎年送られてくる、すももの箱。

私は、この時期から秋口にかけて出回る果物が大好きだ。
果物の色が好き、と言ってもいい。
特に、若々しい黄味を帯びたピンクから成熟しきった深紫の
グラデーションのすももは、
オトメ(ではないが…)心をくすぐるのである。

そんな、待ちに待った嬉しい箱が届いた時は、
同じような色味の果物と共に、濃い色の大きな器にたっぷり盛る。
お客様にお出しするようなときは、氷と共に入れておいて、
だんだんと溶けた氷水に冷やされて、
細かい雫を纏った様子もまた美しい。


結婚をして、料理も洗濯も掃除も…、
一人暮らしの時はごまかせていたことが、
日々の責務としてのしかかってきた。
ちゃらちゃらと”もてなし”など言っている場合ではなくなった。
そして、すぐに病気をして、
仕事も体力も気力も自信も失ってしまった。そうして、
まずできること、やりたいことから始めてみたら、
それは、日々の食事の準備や、
夫が明日着ていくシャツを洗うことや、
掃除をしてすっきりした部屋に新しい花を飾ること。
また、病気を機に飼い始めた犬のお世話をすること。
そういう身近なことに、沢山の”愛おしさ”を
感じとることができるようになった。


沢山盛られた果物の静物画のように、
生活の中の豊かさを、このブログで綴っていかれたらと思う。

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◎ 今日の器…郡司庸久・慶子 「飴釉の鉢」
7月7日(土)〜13日(金)Rungta(経堂)にて個展中。
撮影/白石和弘