最新号のスピリッツ。表紙はなんと小沢くん。スピリッツ38年の歴史の中で初と言われる「①撮り下ろしではない ②被写体が男性 ③モノクロ」と話題の表紙。売り切れ店舗が続出との噂も!?


私のまわりには、小沢健二さんが好き、それも、妄信的に好きである人たちが多く生息しています。思春期に『フリッパーズギター』の洗礼を受けている世代ですので、多少なりとも思い入れがありますが、その知人たちと比べると私の場合は「多少の」と限定的にするしかありません。その中のひとりは、通称の「オザケン」ではなく、「小沢くん」と呼んでいました。木村拓哉さんのことを「キムタク」ではなく、「木村くん」と呼ぶ中居正広さんのようで、ずっとその呼称がもつ「近しいのに敬意を込めた距離感がいいな」と感じていました。だから、私も真似をして、いつしか「小沢くん」と呼ぶようになった気がします(場面によってはなんだか照れくさいので、小沢健二とかオザケンと呼んでしまう軟弱な私です笑)。

そして、スピリッツ。以前、どこかの記事で小沢くんが「しばらくぶりに日本に拠点をうつし活動してみてみたけれど、予定調和のことしかおこらない雰囲気に違和感がある」というようなことを言っていました。

で、これなわけですね、小沢くん。アイドルのカラーグラビアがデフォルトの漫画誌での表紙での登場だなんて。やっぱり、小沢くんは私たちの予定調和の斜め上をいってくれています。そして、中面には小沢くんの書いたテキスト「フェスへ、めんどくささを愛でに」が掲載されています。素晴らしいので、ぜひお目通しいただきたい!

担当編集者の方のTwitterによると、今回の件は「サブカル少女の逆襲」なのだと。元サブカル少女のはしくれとして、彼女には労いの気持ちでいっぱいです。多くは書かれていませんでしたが、たくさんの苦労があったことでしょう。だって、小沢くん、昔からめんどうくさいキャラクターでしたもの。同じ編集者として、この偉業がどれくらいのめんどうくささの上に成り立っていたかを想像すると頭が下がる思いです。

後から振り返ると、仕事も遊びも結局はめんどうくさかったことの方が楽しい思い出になることのほうが多い気がしています。要領よく、効率よく。そんなことばかりが求められがちな時代ですが、「もっと、めんどうくさいことを愛そう」。そんなことを考えてしまいました。

あぁ、小沢くん、めんどうくせー!

同じ号のスピリッツのフェス特集。人気漫画家の浦沢直樹さんやジョージ朝倉さんの妄想タイムテーブルが掲載されており、その横に、「妄想俺フェス」のタイムテーブルが書き込めるようになっています。私も書いてみようっと(笑)。

今日のお品書き
病後、ゆっくりと仕事復帰をしていきたいという城 素穂さんに連載を始めていただけることに。日々の何気ないことの中に幸せがあるということに気づけるように。そんなことを考えながら、読ませていただきました。

ミモレ編集長 大森葉子
1974年生まれ。95年婦人画報社(現ハースト婦人画報社)、2000年講談社入社。 「with」「gli (グリ)」「GLAMOROUS(グラマラス)」の美容、読み物記事を担当。ミモレには立ち上げから参加、7月1日より編集長に就任。音楽、映画、落語……カルチャーミーハーな44歳。口グセは、「あぁ、旅に出たい!」。