大人たるもの、20代のお嬢さんとは違うわけで、きちんと着なきゃ、正解って何? ―――そんなふうに悩んでいる方もいるようです。そこで今回は、これだけおさえておけば素敵!な着こなしのヒントをご紹介します。
着こなしポイント①
サイズが合っていればスタイルよくみえる
「自分のジャストサイズを選ぼう」。
これって洋服でも同じことですよね? 間に合うならば誂えるのがいちばんです。自分サイズのゆかたは着るのもラクですし、いわば“オートクチュールな一枚”は気分も上がります。
そうでない場合は、「仕立て上がり」を買うことになります。選ぶコツは、必ずあててみて羽織ってみる、つまり試着を必ず! 丈は着つけの仕方でわりとどうにかなりますが、裄(ゆき/袖が手のどこまでくるか)と幅は大事です。裄は長すぎるよりは短めのほうが粋。幅は細くてグルリと回ってしまうのも、布が足りなすぎるのも微妙です。
同じ柄のゆかたでも仕立て方によって柄の出方が変わるので、そういう意味でも羽織ってみるのは大事です。
着こなしポイント②
5点をおさえるだけで着映え効果大!
衿元
・・・あまりあけすぎず、やや詰まっているほうが粋。縦長のV字になるように。
おはしょり
・・・長すぎると野暮ったくなります。少し短めのほうが涼しげで、脚長効果もあり。
丈
・・・素足に下駄を履くときは着物よりやや短めに。短すぎず長すぎずを目指して。
衣紋(えもん)
・・・暑いからと抜きすぎると品がなくみえます。控えめに抜いたほうが今っぽい。
裾
・・・裾つぼまりになるよう着付けましょう。スッキリとシャープな後ろ姿に。
ちなみに……旦那さん、彼に教えてあげたい間違いだらけの男性のゆかたの着こなしもお伝えします。
こういう人いるいるーと思った人も多いのでは? だらしなく開いた襟元、上すぎる帯の位置、短すぎる丈が野暮ったい印象に直結。
ピシッとした襟元はいい姿勢が作ります。帯は低めに、丈はくるぶしにかかるくらいがベストバランス。下駄はかかとが少し出るくらいがかっこいい。
できれば着たときのままのきれいな状態をキープしたいものですが、動けばどうしたって着崩れてきます。気をつけたいのは腕の上げ下げ。ひじから下がむき出しにならないよう、電車ではつり革でなく手すりをもって。歩くとき、座るとき、いつでも洋服のときより小さめの動作を心がけるとだいぶ違います。
ゆかたは着ているだけで人目を引きますし、涼しげに見えるものです(着ている本人はそう感じていなくても!)。この夏は大人ならではのシュッとした着姿で街に出ましょう。
今年の夏こそゆかたを着たい! でもハードルが高そうで踏み切れない! と毎年思っている人へ。
洋服と違って自分に何が似合うのかわからない、どんなゆかたがあるのかわからない、どんな帯を合わせていいのか、どんなバッグや下駄を合わせていいのか、コーディネートがわからない・・・・・・ そんな数あるゆかたの「わからない」にすべて応える1冊です。
花火大会やお祭りだけでなく、レストランやショッピング、映画に歌舞伎、落語など、夏のあらゆるシーンで着たいコーディネートが全部で50スタイル。着たい、ほしいゆかたが必ず見つかります。
さらに、「ふつうに着る」から、スタイルよく「素敵に着こなす」ための着つけポイントも紹介。今年はゆかた姿で自信を持ってお出かけできます!
『大人のゆかた スタイルブック』のほか、料理、健康・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>
構成/山本忍(講談社)
写真/嶋田礼奈(講談社)
秋月 洋子(アキヅキ ヨウコ)
着物スタイリスト。広告代理店勤務を経て、『衣裳らくや』の店主、石田節子氏に師事。5年半にわたり、着物に関する知識、スタイリングや着つけを学び、2003年に独立。雑誌や書籍でのスタイリングと記事執筆のほか、テレビ、CM、映画等でもスタイリング、着つけを手がける。着物まわりの小物ブランド『れん』、オリジナルデザインの帯留『九九』など商品プロデュースも手掛けており、いま最も人気の着物スタイリストのひとり。書家としての側面も持ち、自筆の着物や帯のデザインも手掛けている。 著書に『秋月洋子のおでかけ着物コーディネート帖』、『大人のおでかけゆかたコーディネート帖』、『おでかけ着物歳時記』がある。