みなさん、こんにちは!
仕事が行き詰まると、旅行本が1冊ずつ増えていく太田でございます!
先週は、私のお気に入りのホテルを紹介しましたが、今回は母いちおしのホテルを紹介いたします。

それは、イギリス、コッツウォルズ地方テッドベリーのはずれにある「Calcot Manor」。 14世紀に修道士たちが建てたファームハウスを改修した建物を利用していて、220エイカー(約890000㎡)の広大な敷地の中にあります。古い建物ならではの重厚感あふれる、けれど内装はむしろ攻めたようなデザインもあって、古いものと新しいものが調和した素敵なホテルです。

 
 

カルコットマナーでのいい写真が見つからず…… このホテルの魅力を伝えきれないのが残念ですが、その片鱗だけでも感じ取っていただけましたら!(ということで、2枚目の写真は持って帰ってきたパンフレットです)

母がここを好きな理由は
1 緑が広がる広大な敷地の散歩が楽しかった
2 レストランもパブも併設していて、どちらも素晴らしく美味しかった
3 35室とこじんまりしていてスタッフの気配りがそこここに感じられた
4 小さな村々を巡ったりと、コッツウォルズ地方自体がとてもよかった
5 自分の娘、孫と3世代揃った初めての記念すべき旅行だった

とのことでした。
母にどこのホテルが一番良かった?と聞くと、「そうね~。あこちゃん(←私の呼び名)の選ぶホテルは、どこも本当によかったから迷うわね~」とまずはお褒めの言葉をいただきました。まあ……母との旅の場合、何も問題が起きないように隅の隅まで、それこそ家具の配置にいたるまで私は調べ上げるので、ある程度のレベルなのは当然といえば当然かもしれません(苦笑)。

この旅もレンタカーでイギリスの田舎を回っていました。日常を忘れさせてくれる車窓ののどかな風景。
カルコットマナーのある街を散歩中にひと休み。

そのなかでも母がこちらのホテルを選んだのは、おいしい食事、過不足ないホスピタリティ、自然あふれる立地、すべて総合的に素晴らしいホテルだったというのは間違いなのですが、きっと5番目に挙げた、「3世代揃っての旅」ということが大きかったのかなとも思います。そのとき、誰と一緒でどんな気持ちでいたのかが、実はその旅が楽しかったかどうかの大部分を占めるものです。そこに加えて、ホテルまで良かったのならば最強です! 母はこの旅では、よっぽど楽しかったのでしょう、不満は全く出ず、本当によく笑いよく食べ、よく歩き、誰よりも若さいっぱいでした。

なるほどね~、そこまで楽しかったのね~、と優しい気持ちで聞いていたら、「そういえばあなた、このホテルに行く途中で『この村を見たいから車を停めて』と言ったのに停まってくれなかったじゃない? あの村に寄れなかったのが、今も本当に本当に心残り!」と「本当に」を2回も繰り返していきなり不満をこぼし始めたので、私も「私は目的地についてからゆっくりしたいタイプなの」と応戦……。

いい感じで始まった母との会話は小競り合いで終わりましたが、実のところ、母はこのホテルに着いてからは、その寄ってみたかった村のことなど一切口に出すこともなく、ずっとご機嫌だったのです。……ですので、このホテルは母のそんな不満をすっかり忘れさせてくれるくらい、本当に良いホテルだったのだと思います。

母の2番目のお気に入りは連載の3回目、No.23で紹介した、パラドール・デ・チンチョン。ホテル自体が素敵なのはいうまでもないのですが、こちらも街自体が魅力的だったのがいい思い出に繋がっているよう。

さて次回は「部屋食とマーケットの楽しみ方」と題して、どこの国にいっても立ち寄るマーケットについてお話したいと思います! では、また木曜日!
 

第1回「母は旅のベストパートナー?」はこちら>>
第2回「今こそヨーロッパの田舎へ」はこちら>>
第3回「ホテル選びに最大限の情熱を!」はこちら>>
第4回「眺めのいい部屋でシャンパンを」はこちら>>
第5回「私がホテルに求めるもの」はこちら>>
第7回「母との旅の食事問題」はこちら>>
第8回「旅のファッションについて①」はこちら>>
第9回「旅のファッションについて②」はこちら>>
第10回「旅のファッションについて③」はこちら>>
第11回「旅の交通手段について①」はこちら>>
第12回「旅の交通手段について②」はこちら>>
第13回「旅の交通手段について③」はこちら>>
第14回「お土産問題」はこちら>>
第15回「母との旅でいちばん大切なこと」はこちら>>
第16回「旅の目的地問題」はこちら>>