「ヴァンテーヌ」の編集をしていた頃、取材でイギリスに行くたびに、田舎のアンティーク・マーケットなどでシルバーのカトラリーを買っていました。先日、撮影に使うことになり、久しぶりに銀磨きをすることにしました。「赤毛のアン」の中に、結婚式を控えて銀のカトラリーを磨くシーンがありますが、小学生の私にはなんのことかわからなかったことを思い出します。銀器用の専用のクリーナーをつけてひとつひとつ布で拭いていきます。最後に、普通の洗剤で洗って布巾で拭けばOK。「銀磨き」なんて、普段の生活にはないことですが、「ゆっくり」とした時間は、つかの間、慌ただしい日々の流れを止めてくれたよう。そんな時間を大切にしたい、と改めて思ったのでした。

アンティークのカトラリーは、用途が決まっているのがおもしろい。これはジャム、ピクルス、バター、ブレッド(フルーツケーキなど)など。白い柄はマザーパール(真珠の母貝)です。この中には、スターリングシルバーのものもありますが、シルバープレート(銀めっき)のものも。美しいものがたくさんありますよ。