白シャツ――着る前と着た後に、
すべきこと

沖縄、九州地方には台風が接近しているようです。
東京も、風が強くて、少しじめっとした空気の火曜日。
みなさま、お足元お気を付けくださいね。

さて、こんな日こそ、私にとって白シャツ日和。
手に取ったのは、大好きなフィナモレのリネンのシャツ。
ボタンやディテールは違いますが、もう何枚も買い足している1枚です。

フィナモレは、ナポリで誕生したシャツのブランド。
BASICの美しさを守り続ける、稀有な存在です。
特にリネンのシャツは大好き♡
少し肌が透ける薄手のリネン。
焼けた素肌が透けると、「真っ白」はほんのり影をまといます。
「真っ白」が20代のシャツの色だとすると、
リネン特有の、影を1枚重ねた白は、私たちミモレ世代のもの。

あとは、朝の質感と、夕方のそれが移ろっていく様も、とても愛しています。
朝はアイロンではなく、スチームをかけ、
シャツをふんわりと仕上げます。
大きなシワはとるけれど、細かなシワはそのまま残しておきます。
何の曇りもない白シャツなんて、今でこそ、面白みに欠ける、と思うのです。

朝、家を出た時にはきっぱりとしていたリネンが、昼過ぎになると少しリラックス。
袖や襟の自分なりのアレンジもしっくりとなじみ、背中には横に斜めに、
大きなシワが入ります。そして夜は、全体的にしっとりと体温を受け止め、
凛とした表情が少し緩み、色っぽくくたびれてくるのです。
胸元のボタンをもう1つ開け、深く細く開いていた襟元を、手でつかみ、
横に広がるVに変えたりして。
手でつかむことで、胸元のリネンの凹凸はさらに明らかになり、
デコルテに落とす影は、朝よりうんと深くなるのです。
1日で、こんなに顔を変える素材はほかにはありません。
5月から10月(秋にスウェードやカシミヤと合わせるリネンも大好きです)まで、
リネンのシーズン。
今年はどうやって着よう。
とっても楽しみです。

※後ろに見える散らかった机は、何を隠そう私のデスクです……。反省中。

大草 直子

  • ボタンを開けたときに見える、前立ての裏の部分。意外と忘れがちですが、ここもシワは伸ばしておきます。着る前からついているシワと、着た後につくシワは、なぜかわかってしまうのが不思議です。
  • クリーニングに出すと、袖の外側にかなりはっきりした縦のラインが入ってしまいます。スチーマーなら、これも簡単に目立たなく。カフスを下に引っ張るような感じでシワをとっていきます。
Today's pickup

シャツ、特にリネンのシャツは、アイロンではなくスチーマーを使ってシワを伸ばします。アイロンだと、袖やボディのシルエットがつぶれてしまうのと、「間違えた時」の深いシワが怖いので。ハンガーにかけて、表からと、裏側から。立体的に仕上げるのがコツです。愛用しているのは、パナソニックのスチーマー

CREDIT :

シャツ/フィナモレ
スカート/アカネ ウツノミヤ