2015.6.3

黒田泰蔵さんの作品を日常使いする

年齢を重ねると、多分に漏れず、服やジュエリーなどの身に着けるものより、家具や器などの“お家アイテム”に俄然興味が湧いてくるって本当なのですね。

20代だった頃、大切な方に黒田泰蔵さんの器をプレゼントしていただきました。「キレイだなぁ」とキャビネットに飾って、たまに手にとって眺める日々。が、どうでしょう? みるみるうちに黒田さんの白磁の価値はウナギのぼり。先日、こちらのブログで紹介した『シンプルなかたち展』で作品が展示されるほどの(もはや、作品がおいそれとは購入することができない)作家さんに……。黒田さんの評価の高さと、白磁の繊細すぎる薄さもあいまって、観賞用として愛でる以外に私にはなす術がなくなっておりました。

まだ、一度も食卓に並べたことはありません……。

先日、憧れの料理研究家さんの料理を食す機会に恵まれました。すると、どうでしょう? 黒田さんの器にもられたお料理がどんどん供せられるではありませんか!

興奮気味に、「黒田さんの器に料理が盛り付けられている状態を初めて見ました。ましてや、この器でお料理が食べられるなんて!」と伝えると、笑いながら「お料理を盛り付けとき、洗うとき、片づけるとき……とにかく丁寧に扱えばいいだけ。それさえれできれば、どんどん使ったほうがいいと私は思っているのよ」と一言。

モノの価値を見極める審美眼やモノを大切にする気持ちは、こういうところから自然と養われていくのだろうな、と。使うだけで背筋がシャンとするようなアイテムを日常使いできるよう精進しなくては、と心に刻みました。

はじめの2品以外、不覚にも撮影をし忘れてしまいました……。唐揚げ(つまり油もの)が盛られた大皿が出てきたときには卒倒寸前!

 と思いつつも……黒田さんの作品に自分の料理を盛り付られる日は遥か遠い先な気がしている若輩者の編集部・大森なのでした。日々、精進あるのみ!