スイス、ジュネーブ空港から車で1時間ほどの町、モントルー。レマン湖畔に佇むこの町は、夏に行われるジャズフェスティバルでも有名です。かつてオードリー・ヘップバーンやチャーリー・チャップリンが暮らしたこともあるこの町は、スイスを代表する高級避暑地でもあります。

ヨーロッパで2番目の大きさを誇るレマン湖。静かな湖面と山の風景がきれいです。

湖の周りには高級ホテルが立ち並び、ゆったりと休暇を過ごす人々の姿が目につきます。

サマードレスを身に纏い、ちょっと大きめの帽子にサングラス、そんなスタイルで、のんびりと湖畔を散歩し、ショッピングを楽しむ。スイス産のワインと湖で獲れた魚介や名物のチーズフォンデュを味わう。そんな静かでゆったりとした過ごし方が似合う大人の町だけれども、ほんの少し電車に乗れば遠足気分が味わえる、そんなツアーもあるんです。

スイスの鉄道会社「ゴールデンパス」とチョコレート工場「ネスレ・カイエ」が企画する「チョコレートトレイン」ツアーです。ちょっとレトロな雰囲気の特別車両でスイス特産品のチョコレート工場見学にでかけようというというもの。

チョコレートトレイン。これから出発です。
牛のペイントが素敵なチョコレートトレインの輝く外観。途中、ホットチョコレートやチョコレートのサービスもあります。

朝の8時半頃にモントルー駅に集合し、グリュイエール地方に向けて出発。美しい湖、広がるワインヤード、雄大な山々というスイスらしい風景を楽しみながら進みます。途中、ホットチョコレートやコーヒーなどの飲み物、チョコレート、チョコクロワッサンのサービスもあり、チョコレートな旅のはじまりを実感できます。1時間ほどで、目的地“Broc-Fabrique“駅に到着。ネスレ・カイエの工場では、原料のカカオにはじまり、チョコレートの歴史をアトラクション仕立てでめぐります。

チョコツアーのはじまりです。まずパッケージやポスターなどが展示されています。
原材料のカカオ豆。思った以上にビターな香り。

カカオやナッツ、バターなど、原材料を手に取って実感できるコーナーも充実しています。工場での包装の過程なども見学しつつ、最終コーナー「テイスティング」エリアへ。ずらりと並ぶ高級チョコレートを思う存分試食することができるエンディングに胸が躍ります。 

テイスティングコーナーではチョコやトッピングについて詳しいお話を聞くことができます。好きなだけいただけるので、食べ過ぎに注意ですね。

どうやって作られるのかを知り、カカオそのものの香りを意識してみると、チョコレートの味わいがまた違ってくるから不思議です。甘みの中に何層にも重なる味や香りを感じるようになれば、これまで以上にチョコ・スイーツを楽しめそう。

チョコレートの新たな魅力と出会えること、そして何よりも車窓の風景の美しさは格別。ゆったりとした湖畔での休日に甘い彩りを加えてみてはいかでしょうか?

車窓に広がるスイスらしい風景に癒されます。停車時、耳を澄ますとカウベルの音が遠くに聞こえてきました。


■チョコレートトレインの予約の仕方

チョコレートトレインの予約は、HPから。
ヨーロッパの町をあちこちで移動するユーレイルパスを購入後、パス保有者の特別料金で予約可能。出発駅「Montreux」 、到着駅「Broc-Chocolat」で検索してみてください。ツアーはチョコ工場見学の後、グリュイエールの町での自由時間、チーズ工場の見学と続き、夕方にモントルーに戻ります。