食物は収穫したら、すぐに口にできると思いがちですが、よりおいしく食べるためにもいろいろな工程が必要です。フルーツや肉、魚もそうですよね。栗も収穫したままではなく、より安全によりおいしく食べるために、いくつかの過程を経ています。こんな感じです!

①午前中で栗拾いは終了。軽トラックに積まれた栗がどんどん作業場に集まります。本日は300kg分ぐらいの収穫あり。

②猪毛のブラシで表面の汚れを取ります。

③湯温処理に入ります。企業秘密なので時間や温度は内緒ですが、殺菌、害虫駆除、栗の甘みを増す意味があるそう。この時間や手間を惜しみ、薬で処理する農家が大半の中、その点でも、善兵衛栗は安心して食べられます。

湯温処理後、乾燥中です。写真では、大粒感、迫力がまったく伝わらないのが口惜しい・・・・・。

④風通しのいい場所で乾燥させて、サイズ分け。サイズは見た目ではなく、グラムで分けます。大粒で有名な品種“西明寺栗“ですが、赤倉栗園の栗は、特に大粒でりっぱ。小さなおにぎりサイズの4Lなんてのも時々とれるみたい。「善兵衛栗」というブランド名をつけて販売しています。

私の手にのせてみました! でも手が大きいから、大粒感、迫力がまったく伝わらないのがもどかしい。

冬になると、栗の実は春にそなえてデンプンを糖に変えてエネルギーにしようとします。栗の実に冬だと勘違いさせることができたら、栗の甘みはぐっと増すことに。そこで、じっくり低温貯蔵するのが赤倉栗園のやり方。例えば、1ヶ月低温貯蔵したら、糖度が4倍にもなるそう。「これも、大粒だけど大味じゃない、おいしい善兵衛栗の秘密なんですよ」と赤倉さん。

客観性の高い5円玉と並べてみました! 上から、3L、2L、L、M です。Mでもこんなに大粒。

これまでいろいろ頑張ってきた赤倉一善さんに賛同して、同じように無農薬、無燻蒸で栗を栽培しようとする栗農家が少しずつ増えているそう。素晴らしいですわ!

秋田県仙北市西木町は、日本一大きな栗の栽培で有名ですが、
食の安全、安心は、いま誰もがいちばん気にしているところ。
これからも、赤倉栗園の頑張りを、食べて食べて友達におすすめして、こっそり応援したいと思うのです。

何ひとつ役に立っていないのに、収穫もまぁまぁなくらいだったのに、奥さまの薫さんは、栗ごはんの“おにぎらず”を準備してくれました。ありがとうございます。おいしかったです!

赤倉栗園はもちろん、このあたりは“かたくり”の花の群生地。春には「角館の桜」と「西木町のかたくり」と「刺巻湿原の水芭蕉」を同時に見られる“奇跡のタイミング”があるそう。美味しいものがいっぱいだし、みんな親切だし、また秋田に来たい。虎視眈々と狙っております。

焼き西明寺栗「パチクリ焼」をつくる赤倉一善さん。機械は西明寺栗用に仕様を変えてあります。1回分は15分ぐらいで焼きあがり。
焼きたてをいただきます! 割れ目が入っているので、実が取りやすく、食べやすい。パリやイタリアでも焼き栗を食べましたが、比べものにならないくらい甘くてねっちょりしておいしいかった。関東圏の百貨店の催事で出品することもあるそう。見かけたら、ぜひご賞味くださいね。

善兵衛栗の赤倉栗園
秋田県仙北市西木町小山田字八津194
FAX:0187-47-3901
MAIL:akakura@mbc.nifty.com