だしは長年「●のや」の粉末だしを愛用していて、今さら「かつお節」や「昆布」からだしを取るなんてムリムリ~、という皆さま! 「ちゃんとだしを取れる人」になることをずいぶん前にあきらめた人も、超絶簡単&和風だしの威力を即効感じられる「マジカルレシピ」があるんです。

教えてくれたのは、『終電ごはん』(幻冬舎)の著者でライターの梅津有希子さん。顆粒だししか使ったことのなかった梅津さんが、突如だしの魅力に目覚め、このたび『だし生活、はじめました。』というエッセイを出版!

思わず「あれ、私も明日からだしを取っちゃおうかな」って思える「だしの取り方」とレシピ(と呼ぶのも躊躇してしまうくらい簡単!)を3つ厳選して紹介します。
まずは、笑っちゃうほど簡単なだしの取り方から。

コーヒードリッパーでかつおだしを“淹れる”
昆布だしは水に漬けるだけ!

 

朝コーヒーを淹れる感覚で、かつおだしを“淹れる”。「メリタ」や「カリタ」などごく普通のコーヒードリッパーにペーパーフィルターをセットしたら、かつお節(にんべんのフレッシュパック4.5グラム)を入れます。あとは、ちょろちょろとお湯を注ぐだけ。以上。かつお節をフィルターの上からぎゅーっと最後の1滴まで絞ってもOK。

 

もっと簡単なのは昆布だし。1リットルの水にだし用の昆布10グラムを入れて、冷蔵庫に入れて一晩から二晩おく。以上。昆布のなかでもおすすめは、「真昆布」や「羅臼昆布」。濃いめにだしが出るので、本当にこれだけでおいしいスープに。深夜に帰宅して、なーんにもしたくない日には、このだしを温めて飲むだけで、なんともホッとします!

簡単過ぎるけど、よく「だしの取り方」の本に書いてある「えぐみ」とか「にごり」とかは気にならないんでしょうかと聞くと、「料亭じゃないので。私たちが作るのは家庭料理でプロの料理とは違うから問題ないですよ」とのこと。簡単で、美味しくて、なにより続けられることが大事、なんだそう。なるほど、これならできそう!

梅津さんに「だし生活」をはじめてよかったことをたずねると、意外な答えが返ってきました。「とにかく料理が面倒ではなくなりましたね」。だしを取る分だけ手間が増えそうなイメージだが、「だしのうまみだけで十分に美味しいので、ほかの味付けは少量の塩と醤油だけなどで済むようになったんです」。作っただしは、和洋中どんな料理のベースにも使ってもいいそうです。忙しいから使い切れるかなと心配する必要がないのはいいですね。

気になる「和風だしマジック体感レシピ」はこちら

今や世界的に注目されている「かつお節」や「昆布」のうまみ。ここで、それを体感できるレシピを3つ厳選して紹介してもらいました。和のだしって、簡単で美味しくて素晴らしい! 「だし生活」を始めるのに、遅いということはありません。とりあえず、下の3つのレシピ、笑っちゃうほど簡単なので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。

 

 だし香る、コーンスープ 
コーンスープも、昆布だしで作ればうま味たっぷりのやさしい味わいに。心までホッとするおいしさです。ミネストローネやポトフなどの洋風スープも、わが家では昆布だしで作ります。ぜひとも、うま味の濃い真昆布か羅臼昆布のだしで作ってみてください。

<ざっくりレシピ>作りやすい分量。昆布だし300mlくらいをあたため、クリームコーン缶を1缶投入。フツフツしてきたら塩で調味。仕上げに牛乳を少々まわし入れる(大さじ4くらい)。オリーブオイルをひとたらしして、パセリをトッピング。2人でお代わりしてちょうどいいくらいの量です。

 

 うま味たっぷりトマトソースパスタ 
「イル・ギオットーネ」の笹島保弘シェフに教わった、かつお節の活用法。トマトソースにかつお節をバサッと投入するだけという手軽さで、トマト×かつお節の、うま味の相乗効果がよくわかるパスタです。

<ざっくりレシピ>フライパンにトマトソース(市販のものでも、自家製でも)を入れて火にかけ、フツフツしてきたらかつお節をバサッと投入。おひたしなどに使う、小分けのパックを一袋全部入れてOK。アルデンテに茹でたパスタをあえて出来上がり。豆板醬を少々入れると、コクが出てピリ辛になってお気に入り。

 かぶと厚切りベーコンの昆布だしスープ 
もう、何度作ったかわからない簡単すぎるスープ。ただ火にかけるだけで、味つけも不要。昆布だしにベーコンのうま味がとけ込み、じんわり沁みるおいしさです。


<ざっくりレシピ>かぶを適当に切り、ベーコンはブロック状のものを厚めに切る。昆布だしで煮込み、かぶが透き通れば出来上がり。ベーコンから塩分が出るので、味つけは一切不要。味が足りなければ塩を少々。

 
『だし生活、はじめました』(祥伝社)
顆粒だししか使ったことのなかった著者の梅津有希子さんが、だしの魅力に開眼。多数のおだし教室に通い、昆布を知りに北海道へ飛び、だしとり道具を買いに合羽橋へ。1年かけて「だし」について、取材と実験を繰り返した「だし」をめぐる“冒険”エッセイ。
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