2016.1.31

天国で喫茶文化に思いを馳せる

経年劣化によるエイジングが進んだ壁紙、やたらと沈むソファシート。いつでも夕方のような明るさの照明。そして店主こだわりのジャズなんかがかかっていたりする――いつからでしょうか、私はカフェよりも、そんな純喫茶で珈琲を楽しむ時間が増えてきました。

“浅草のホッピー通り”の近くです! DATA●東京都台東区浅草1-41-9 tel.03-5828-0591

2005年オープンということで、いわゆる昭和レトロ全開の純喫茶ではありませんが、私に純喫茶同様の寛ぎ時間を提供してくれるお店を紹介します。珈琲 天国です!

全15席。客席面積は約8.2平米(京間の約4.5畳分)と決して広くない店内。満席時の空間体感は千利休の茶室並み、と言われているのも納得。とかく席の間隔が広いカフェに居心地の良さを覚える現代人には、この距離感は逆に新鮮なのではないでしょうか?

これ食べたさに客が絶えないと言われている名物のパンケーキは、サクフワッでまさにヘブンリーなお味。珈琲が飲み終わると、カップの底にメッセージがありますので、そちらは是非、ご自身でお試しください。ニンマリ必至です。

店内はジャズ、ではなく、昭和歌謡がかかっています(浅草と昭和歌謡ってとっても合いますよね〜)。カラダがいちばんリラックスできるぬるま湯に浸かっているかのような居心地の良さです。ボーッとしながら、「天国にいちばん近い島はニューカレドニアだったっけな〜」と、なんともゆるいことを思い浮かべたり……。

せっかくですので、店先にある冥土の土産「天国の缶バッチ」のガチャガチャを。
コチラも、なんともゆるい(苦笑)! 

「格好いいことは格好悪い」と評価されることも多くなってきた今、こんな脱力感が今後どんどん多くの人たちの心をつかんでいくような気がしています。天国が天国であるゆえんを充分に満喫した帰り道、古き良き佇まいの浅草公会堂の横に突き出たスカイツリーのある風景を見上げながら、昭和と平成のハイブリッドに思いを馳せるのでした。