私がパリでウキウキと和食を作っていられるのは、パリが日本食材を買いやすいというのもありますが、主な理由は仕事で来る友人がしょっちゅう日本から食材を持って来てくれるという、非常にありがたい環境もあったりします。

重い思いをして持って来てくれる友人に、せめてもの御礼にとよく渡すのが花。「旅行で来る人に?」と思うかもしれませんが、1週間程度の滞在でパリのみにいるのであれば、花が終る前にちょうど滞在も終るし、何より無機質になりがちな宿暮らしに、彩りを添えてくれると思うのです。だいたい、日本でもパリでも、お花をもらって嬉しくない女性なんていないですよね。

以前の家の近くにはセンスの良いお花屋さんがあったのですが、引っ越した14区の家の近くではまだイマイチどこがいいのかよくわからず。急いでいたこともあり、駅前の状態の良さそうな花屋さんで薔薇を1束購入することに。

お花やさんで購入する際に必ず聞かれるのは「贈り物ですか?」。そうです、と答えたところ、花束はくるくるっと包装紙に包み、それとは別のオレンジのキレイな薔薇の花を1輪一緒に手渡してくれ“C’est pour vous.”(この薔薇は、あなたのために)と。

この、薔薇を一輪別途渡してくれるという手法、以前もムッシューがオーナーのお花やさんもそうでした。可愛い女の子が働いているようなお洒落花屋では起こらない。昔ながらの、そのへんにあるお花屋さんでのみ行われる。別になくてもこちらの気持ちは何も変わらないけれど、頂くとなんだかとても嬉しいもの。そういえばそこのムッシューは、通りがかりに挨拶するといつも“Bonjour!”といいながらウィンクしてくれたなあ。こういう“ほほー”と思うことが自然にできちゃうのが、やっぱりフランス人男性って日本人と全然違うよなーと思うのです。