約2000万年前の海底火山の噴火にはじまり、陸化。さらに大型火山の噴火で出来上がったのが伊豆半島。本州で唯一、フィリピン海プレート上にあり、オホーツクプレートとアムールプレートの3種のプレートが重なる部分という珍しい地形だそう。現在も火山活動や地殻変動が続いており、それによって豊かな温泉や様々な魚が獲れる深い湾に恵まれている土地なのです。

そんな地球の歴史を体感できるジオパークのウォーキングツアーがあると聞き、さっそく体験してきました。

  • サスペンス劇場に登場しそうな「崖」!がたくさん。この穴をくぐったり、ごつごつした岩の上の歩いたり、意外とハードなウォーキングでした。
  • ジオ散歩には動きやすい服装はマスト。最近、街歩きにも愛用しているナイキのフライニットはまさにそんなシーンにぴったりでした。地下足袋のようで足首もしっかりホールド。
  • かなり難易度は高いけれどこんなキッズも参加しているから大丈夫。たしかに冒険気分で親子で参加すると盛り上がりそう!

まず訪れたのは川奈姥子海岸周辺ジオサイト。ジオパークとして認定された伊豆半島の一部であるこの海岸。波が削った海食洞や色が違う層になる岩脈の成り立ちなどをジオガイドさんに解説してもらいながら探検しました。その後、小室山ジオサイトになんとスキー用リフトで登り、今度は山の上から伊豆半島の地形について学びました。

山頂でのランチは「大室山地層ロール」というマニアックなお弁当。四角い箱寿司は伊豆の郷土料理でもあるそうで、サバのおぼろや地場のにんじんやしいたけなども層にした色とりどりのお寿司は目にも楽しい。層により歯ごたえも違い、飽きないおいしさでした♪

午後は城ヶ崎海岸南へ。4キロ離れた大室山の溶岩が流れ着いたこの浜はいがいがした溶岩流が平たく広がることから「いがいが根」と呼ばれ、独特の地形が広がります。岩の上を軍手をつけて(!)しがみつきながら登るとそこには自然の力で丸く削られた石の玉、ドリルストーンを発見。波に削られたドリルストーンは全国各地にみられるものの、ボーリングの球のようなこの大きさで残ることは珍しいそう。見た時に「えええ! これが自然のままの形???」と驚いてしまいました。かなり険しいところを乗り越えてやっと見ることができるものなので、アドベンチャー気分が味わえます。実際、天候によっては近くまで行くのは危険なこともあるそう。危険な場所も多いのでガイドさん同行のツアーが安心です。

  • ごつごつした岩山を登ってその先の岬にある崖をめざします。人一人がやっと通れる巨大な岩と岩の間を通り抜けて見えてくるのは…!
  • 見えますか? 黄色いパーカの人の右あたりに見えるまん丸の岩、ドリルストーンが。
  • 自然の造形物とは思えないまん丸の岩! 波がぎりぎりまで打ち寄せてきてすごい迫力!
これが伊豆ジオパーク名物?「地層寿司」。大室山の地層をそのままかたどった巻き寿司でこれがまた美味しんです。
リフトで登ってきた頂上からの眺めを楽しみながらピクニック。

ほどよく疲れ、気分が高揚した後は伊東温泉へ。この天然の湯も古代の火山噴火による恩恵と聞きありがた~い気持ちに。本日の宿「ラフォーレ倶楽部 伊東温泉 湯の庭」は温泉付きのプレミアルームが54室もあるので、部屋でくつろぎながら24時間いつでも温泉にすぐ入れるのが魅力。もちろん、大浴場や露天風呂も充実です。

海の幸一杯のお食事も日本一深い駿河湾、2番目の相模湾に隣する伊豆半島だからこその恩恵。そしてその深~~~い海底は火山による恩恵。「そうね、溶岩のせいなのね~♪」と妖怪ウォッチならぬ溶岩ウォッチの歌を歌いたくなるくらい温泉と海の幸を満喫。

おみやげはなんと様々な岩そっくりのジオ菓子。標本にはいったこれ、すべて食べられるんですよ~ それぞれホンモノを見ているだけに印象的。
東京から特急踊り子で2時間弱。気軽に訪れることができて温泉も海の幸も堪能できる伊豆半島の旅。楽しく探検できるジオ散歩はおすすめです!

  • 去年リニューアルしたばかりの「ラフォーレ倶楽部 伊東温泉 湯の庭」のプレミアルームは最大5名まで宿泊でき、家族旅行や女子会に最適。いつでも温泉に入れるのが魅力です。
  • 日本で二番目に深い相模湾では近海でもマグロや深海魚なども獲れ、さまざまな魚介が楽しめる。これも「溶岩のせい」♪ そう思うと伊豆半島・伊東を訪れるありがたさを感じます。
  • これが岩石そっくりな「ジオ菓子」。どれもジオ散歩で観察した地形や岩そのもので笑えます。標本として飾れるのも楽しい。ちなみに食べられるくらいの固さでどれも美味!


ラフォーレ倶楽部 伊東温泉 湯の庭
静岡県伊東市猪戸2-3-1 tel. 0557-3133

ジオウォークのツアーに関するお問い合わせは
伊豆半島ジオガイド協会」へ。

PROFILE

間庭典子/フリーライター。取材をきっかけに走りはじめ、ランニングやゴルフなどウェルネス関係の分野でも活躍。