2016.5.5

『グローバライズ』【GWにおすすめの本⑤】

こんにちは、編集・川端です。

黒木華ちゃん主演のTBSのドラマ『重版出来!』を見ている方、いらっしゃいますか? コミック誌の編集部が舞台のお仕事ドラマです。同業の苦労がわかるだけに、そんなうまくいくわけないじゃん!と思いつつも、毎回涙・涙。

私、もともと営業出身のため、ドラマの第2話、コミック営業部の小泉(坂口健太郎くん♡)が「重版出来(じゅうはんしゅったい)、決定しましたー!」と編集部に駆け込んでくる場面では、嗚咽も嗚咽も、ゔわーーーん!よがっだぁよぉーー!と声をあげて泣きました。

今週は「新人発掘」の回でしたね。新人担当ってタイヘンなんだなあ。
もし自分が文芸出版部でこんな新人作家の担当になったらイヤだな〜と思ったのが、今回ご紹介する木下古栗さんです。

イヤだというのは嫌いという意味でなくて、天才すぎて手に負えない。理解の範疇を超えています。

『グローバライズ』は短編集です。あらすじを紹介するのが難しいのですが、どれも思いかげずホラーなので、怖い話が苦手な方にはおすすめしません。 

ホラーに転換するところが唐突で、突拍子もない。そこまでの会話とか心理描写は恐ろしいほどリアルで淡々としています。好き嫌いが分かれる作風ではあると思いますが、ホラーといえば海外翻訳モノの模倣っぽかったり、バトルロワイヤル的なものだったり、型にハマっているものも多い中で、完全なるオリジナリティに類い稀な才能を感じます。

話は飛びますが、みなさん、一生に一回は本気で考えた経験があると思うんですけどね、自分のペンネーム、もしくは芸名をつけるとしたら何にするか。

実は私、子供の頃から「甘栗」にしようと決めてたんです。「川端甘栗」。
本を見てヤラレタと思いましたね。プロフィールを見ると木下古栗さんは1981年生まれ。弟でもおかしくない年代です。

甘栗がデビューする前に古栗にデビューされてしまった・・・と。

古栗さんはこれはデビュー作ではなく、もはや新人でもなく、すでに濃いファンを掴んで、次回作を待ち望まれている人です。『グローバライズ』を気に入ったら、『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』もぜひ!

「あれ今日は脚立はどうしたの?」と思われた通な方、今日はこんな感じです。脚立と分け合っておしゃれハンバーガーを食べる人、みたいになってます。

さて、GWも後半へ。明日は島本理生さんの『イノセント』をご紹介したいと思っています。