花の外には松ばかり、花の外には松ばかり、暮れ初めて鐘や響くらん…長唄に合わせて華やかな衣装の白拍子花子が美しく踊り、いつしか化物に姿を変え、最後には梵鐘に登り見得を切る。僧侶安珍に恋をして裏切られた清姫が蛇に化けて(話のいきさつはいろいろあるのですが割愛・笑)最後は梵鐘ごと安珍を焼き殺してしまうという悲恋の言い伝えが「安珍清姫伝説」です。芸能では”道成寺物”と呼ばれ、能の「道成寺」はもちろん、歌舞伎舞踊「京鹿子娘道成寺」「奴道成寺」なども有名です。この物語の舞台になった道成寺は和歌山県にある古刹で、他にも幾つかの伝説があります。

道成寺の絵馬をいただきました。表面は白拍子花子の絵、裏面には「伎芸成達」「身心健固」と書いてあります。

昨年博多に行った時に、中洲の川沿いのビルにあるバー、Bondに伺いました。十八代目中村勘三郎丈が博多座公演の際にこのお店によくいらしたのだそうです。私は勘三郎さんの愛嬌のあるお人柄、芸に厳しく一途であるところ、そしていたずらっ子の少年のようなお顔つき…すべて大好きでした。思い出話を聞きたがる私に、マスターが特別にカクテルを作ってくださいました。紀州の梅を使い、そして仕上げにヘビのピックをあしらったこのカクテルの名前はずばり「京鹿子娘道成寺」。勘三郎さんが博多座で京鹿子娘道成寺を踊られた時にリクエストし、いたくお気に召した彼は(お気に入りのしるしの)「No.1」を模ったクリスタルをくださったそうです。そのクリスタルは誇らしげに、マスターの背後で輝きを放っていました。

「1」に輝くカクテル(withヘビちゃんにょろり)

そして本日から開催される日本舞踊協会公演で「男女(めおと)道成寺」が上演されます。白拍子花子(女方)に狂言師左近(立役)が加わり、二人立で華やかに舞台を飾る道成寺物です。練りに練って創り上げた美しい舞台に今からわくわくしています♡舞台裏のご紹介も含めて、このお話は次回に続きます…(笑)

この写真は「奴道成寺」@平成25年国立劇場です。狂言師左近(花柳基)が大暴れ〜!