お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
誰かに心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。

パン・デ・ローに、マラサダと、近ごろポルトガル発のスイーツが大人気。実は、料理だって、ご飯に天ぷら、魚介と、ニッポン人好み。定番料理のお店に加えて、面白い新店も登場。素朴なポルトガル料理と、微発泡の緑のワインで、女子飲み、どうですか?

バカリャウまで自家製の、一歩先ゆくポルトガル料理店
ポルトガル料理&ワインバークリスチアノ(代々木公園)

車海老と自家製バカリャウのコジード(煮込み)¥1500。干しダラなのに、こんなにふっくらした身は、自家製ならでは。

ポルトガル料理に欠かせないバカリャウ(干しダラ)を、なんと店内の熟成庫で作っている店がある。世界各地での料理経験を持つ佐藤幸二さんが開いたビストロだ。佐藤さんは、自らがハマった「素朴だけれど、実は手間暇がかかっている」というポルトガル料理の魅力を、とことん体現する。ポルトガル式天ぷらには、干しダラの表面にできる塩の結晶で作った塩を添える。パプリカの発酵調味料ピメンタオンも自家製なら、パンも6年ものの酵母で作る。ポルトのカフェメニ ューだというフランセジーニャから、完全オリジナルのカマンベーコン、ベジタリアンな皿まで。キャリアを反映した豊富なメニューは、全制覇したくなる旨さと面白さ!

  • 野菜を魚の形に見立てた、スナ ップエンドウとさやいんげんの天ぷら¥600。干しダラの表面で結晶化した塩を、さらにパウダー状にして付け塩に。
  • フランセジーニャ¥ 1600。フランスでクロックマダムを食べたポルトガル人が発案したとされるメニュー。パンの間に、様々な肉がこれでもかとサンドされ、ビールベースのソースがかかる。不思議なおいしさ。
  • 佐藤シェフは、ワインバー「アロッサ」の元料理長。ポルトガル料理は、イギリスで働いていた時、同僚から教わったのが最初だそう。
ポルトガル名物ガロ=雄鶏の置物やタイルなどが随所に。

【クリスチアノ】 東京都渋谷区富ケ谷1-51-10 1F tel. 03-5790-0909 営業時間:18:00~翌0:00 LO 休日:月 カウンター7席、テーブル30席料理はアラカルトのみで、豚の血の小さなリゾット¥600、鴨肉を使った肉ごはん¥1600、自家製パン¥70 ヴィーニョ・ヴェルデは、グラス¥450~、ボトル¥1800~(すべて税別)

写真/鈴木陽介 取材・文/斎藤優子 構成/藤本容子
FRaU 2011年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社