2016.5.26

『キャロル』【美しき年上の女性に恋をする】

こんにちは、編集・川端です。
今日ご紹介するのは、パトリシア・ハイスミスの『キャロル』です。

『キャロル』¥820(パトリシア・ハイスミス著・河出文庫)
映画『キャロル』を観て、ケイト・ブラッシェット演じるキャロルにメロメロ♡になった私は、映画館の帰りの電車の中で原作本をAmazonでポチりました。

映画『キャロル』は、50年代のアメリカのファッションもとても見応えがあり、映像も美しい映画でした。

ケイトの素晴らしさについては、映画ライター渥美志保さんのコラム「宝塚の男役も顔負け!ケイト・ブランシェットの華麗なるイケメンぶり」の解説が見事!!なので、ぜひご一読を。

クリスマスソングが流れる12月のデパート。売り子として働くテレーズは、プレゼントを探しに来た美しい年上女性客(キャロル)に心惹かれます。テレーズには結婚を考える恋人リチャードがいるのですが、キャロルへの恋焦がれる想いはリチャードをないがしろにするほどになり……。

ラストシーンは、映画と原作でちょっと印象が違いました。映画の方が余韻があり、原作の方が結論がはっきり描かれています。どちらも名ラストです!

『キャロル』はレズビアンの話(と説明するのは私抵抗があるのですが)、発表された当初1950年代のアメリカは、同性愛者は犯罪予備軍とみなされ、弾圧を受けていた時代ゆえ、この結末はかなり挑戦的だったようです。

『見知らぬ乗客』がヒッチコック監督により映画化され、既にサスペンス作家として人気を博していたパトリシア・ハイスミスの名に傷がつかないようにと、『キャロル』は別のペンネームで出版されたほど。

二十歳そこそこのテレーズが大人の女性キャロルに心惹かれていく様子は、女子なら誰しもが感じたことのある年上の同性への憧れともみえます。
思春期の頃に同性の先輩に想いを寄せたり、ラブレターを書いたり。
(ココだけの話、女子校時代の大森センパイは、長身のバスケ部のスターとしてかなり浮名を流したと聞きますし……!)
大人になっても、旅行は、旦那や彼氏と行くより女同士の方が楽しかったり。一緒に入る温泉にちょっとドキドキしたりすることありますよね~。

映画でも原作でも、彼氏のリチャードはじめ男性陣は、優しいのだけどどこか的外れで子供っぽい。それに比べて、知性もユーモアもあるキャロルの魅力的なことといったら!

ファションの展示会の編集部の待ち合わせの合間、ビルの下で読みました。今日は編集長たちはどんな素敵な格好で現れるかな、終わったらお茶する時間くらいあるだろうかとワクワク待つ自分が、キャロルを待つテレーズの心境と重なります。

パトリシア・ハイスミスといえば『太陽がいっぱい』
初めて観たアラン・ドロンの男臭い色気にクラクラ♡し、リメイク版の『リプリー』のマット・デイモンがダサくて、えーー!と思ったのですが、ジュード・ロウ演じるディッキーへの想いはこちらの方がはっきりと描かれていました。

最近、『アナと雪の女王』の続編が発表になり、エルサに女性の恋人を!というメッセージがSNSで話題だそうです。

『キャロル』が発表された時代のような迫害はなくなったとはいえ、男性同士に比べて、女性同士についてはまだまだオープンではないのかもしれません。

『キャロル』が文庫として待望の本邦初訳され、『太陽がいっぱい』『贋作』も文庫復刊された模様! パトリシア・ハイスミスも再読リスト入りです!

ではではまた〜☆