先日ジョニデ&アンバー・ハードの電撃離婚が発表から、連日のようにインターネットニュースでは続報が飛び込んで来ています。アンバーはジョニデにDV被害を受けていたとアザだらけのカオで警察に飛び込んだり、ジョニデ側はそれを「裁判で有利になるためのデッチあげ」と否定したり。——その姿には誰もが一抹のさみしさを感じているハズです。「あんなにかっこよかったジョニデが、なぜ」と。
そんなワケで前回から引き続き、ジョニデとアンバー・ハードの電撃離婚から、男性における女選びとキャリアの関係性についてを分析していきます。
前編では①裸の王様化による悪影響について論じましたが、後編は、
②自己プロデュースの重要性〜男っぷりをあげてくれる女と下げる女〜。
今回、アンバーのジョニデがDV男だという主張に対し、警察に即、「私たちが過ごした素晴らしい日々の中でDVのようなことは一度もなかったし、そんなことをするような男性ではありません」と、ジョニデを擁護する手紙を出したのが、元パートナーのヴァネッサ。この報道でヴァネッサのイイ女度はぐっと上昇しましたが、ジョニデのキャリアと俳優としてのかっこいいイメージはやはり、このヴァネッサによるところが大きかったと思うのです。
これを語るには、今までのジョニデの女性遍歴を振り返る必要があります。ヴァネッサ以前のジョニデの交際相手といえば、ウィノナ・ライダーやケイト・モスなど、どこか情緒不安定なタイプの美女たち。その頃のジョニデもやはり、ケイトと大げんかしてホテルの部屋を破壊したりするようなエキセントリックな男性でした。それが1998年にホテルで会った女優のヴァネッサ・パラディにひと目で恋に落ちて人生を共に歩むようになってから、ジョニデは男性としても俳優としても大きく成長を遂げます。2003年には「子供達も観られる映画に出たい」という意向から、ディズニー映画である『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出演し、これによってジョニデの俳優的キャリアは不動のものに。この作品でジョニデは初のオスカーノミネートを獲得、同年にはピープル誌の「最もセクシーな男」にも選ばれています。
ヴァネッサというフランスで活躍する自立した女優と事実婚のカップルとして、カリブ海の島で子供達とプライバシーを大事に暮らしている。そんなどこかミステリアスな生活が、どれだけジョニデの“イケてる”イメージ作りに繋がっていたことか……!
それが映画共演で出会った21歳年下の女優アンバーに夢中になり、ジョニデはヴァネッサを捨ててアンバーと結婚。聞こえてくるのは、カリブに所有するプライベートアイランドの入り江に「アンバーのお尻」と名付けてプレゼントしただの、アンバーと出会った思い出に映画のセットを再現したバーを家に作っただの、お金にモノ言わせて若い女性を自分のモノにしようと必死なオジさん的ガッカリエピソードばかり。そこにジョニデの魅力だったミステリアスさや飄々としたかっこよさは皆無。50を過ぎたジョニデが人前でやたらと若いアンバーにベタベタしたり、インタビューでアンバーとの私生活をノロけていたのもいただけませんでした。
一方アンバーのほうはジョニデの完全にお飾り状態。美しいけれどインタビューで気の利いたセリフひとつ言えるわけでもなく、その人間的魅力は、かつてシャネルのミューズとなったヴァネッサとは比べるまでもありません。今回の離婚でも、ジョニデの母親の死後3日後に離婚申請し、アザの出来た顔でこれ見よがしにマスコミの前に出てくるなど、もし本当にジョニデを愛していたら絶対にしないであろう言動の数々。離婚後も、自分を捨てたジョニデのことを一切悪く言わないヴァネッサとの女としての器の違いが、ここにも現れています。そしてこの一連の報道によって、ジョニデのイメージは地に落ちてしまいました。
このジョニデの一件からしても、ある程度の年齢になりキャリアもある男性にとって、女性選びって本当に大事だと思うのです。今までせっかく築いた地位を守るためにも、自己プロデュースの一環としても。
男っぷりを上げてくれる女性とはもちろん、ヴァネッサのように公の場では余計なことは話さず男性を立ててくれる女性。さらに困ったときには相談できて、頼まずとも自分を守ってくれるような情の深さと器の持ち主であること。そして真の意味で自立しているので、男性が自然と彼女のことをリスペクトしたくなる、というのもポイントかもしれません。男を甘えさせてくれるけど「こいつにイイ男だと思われたい」という、いい意味の緊張感を保った関係性を築ける女性がやっぱり素敵。そして男っぷりを下げてしまうのは、その真逆にあるような女性でしょうね。
思い入れたっぷりで今まででもしかしたら一番長くなってしまった今回。なんだかいろんなことを考えさせられる、ジョニデ離婚報道なのでした。
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