2016.6.12

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』羨ましいという苦しみを癒す

こんにちは、編集・川端です。
ドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』見てる方、いらっしゃいますか?みやびさん(中谷美紀)のお洋服がいつも素敵。検索したら、公式サイトに解説がありました。「みやびのファションチェック」なるもの、ふむふむ。

今週は、「キスを迫られたら千手観音のように阻止する女」という十倉さん(藤木直人)セリフで超笑ってしまいました。
先日、京都で千手観音を見たばかりだったので。

三十三間堂。千手観音さまは、一つの手で25の苦しみを見抜き、癒すんですって。25×40本の手=1000、なのですね。「手、千本ないよ」という子供の頃からの疑問が解消されました!パチパチ。

苦しみの種類って千もあるのかなあ。多いような少ないような。

前置きが長くなりましたが、今日紹介するのは湊かなえさんの最新刊『ポイズンドーター・ホーリーマザー』です。

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』¥1400(湊かなえ・光文社)デビュー作『告白』で一挙に有名になった湊かなえさんの、原点回帰のような独白形式のミステリー短編集です。

 

“イヤミス”という言葉を最近知ったのですが、読んでイヤな気分になるミステリー。湊かなえさんは「イヤミスの女王」などと評されてもいるようです。

今回の『ポイズン〜』も嫉妬、恨み、独占欲、優越感など人の負の感情をじっとりじんわりと描くイヤ〜な感じは絶妙ですが、後味はそれほど悪くありません。

表題の「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」は毒親をテーマに、母親と娘それぞれと、両方を知る親友の立場から語られる連作。湊かなえさんの得意ジャンルで得意玉で勝負!といった裏切らない作品です。

私が一番気に入ったのは、テレビの脚本家を目指す新人3人を描いた「ベストフレンド」。一人は賞を獲ってドラマ化が決まる。私の方が優れているのに……なんで?なんで?という想いは募って……。

作者の巧妙なミスリードにより、最後は驚くどんでん返し、戻ってタイトルの意味に涙する、という湊かなえ技炸裂!の一作です。

図らずも誰かの強い嫉妬をかってしまうことって誰にでもありますね。今はSNSなんかもあるので、どこでどう妬まれたり、ささくれを起こしたりするかわからない。

逆もしかりで、好きでフォローしていたはずの人のことをなんとなく嫉ましく思えたら、もう何を言っててもどこに行っててもイラッとする、みたいなこともありますね……。

誰かの強い妬みをかうのも辛いけど、誰かをすごく嫉ましく思う気持ちはもっと苦しい。

湊かなえさんの作品を読むと、まあ、こういうのって誰でも思っちゃうことあるよね、ともっとヒドイ人を見てホッとする、みたいな救いがあります。

煩悩は108つで、苦しみは1000かあ。煩悩だらけと思っていたけど、欲望の方がバリエーションが少ないのね、などと思ったり。

みやびさん、幸せになるといいなあ〜♡
超テレビっこでもあるバタやんでした。

ではではまた〜!