オンナの人生にはもっと乗り越えなくてはならない壁がある…それは更年期! しかも天気予報で教えてくれる梅雨明けと違って、それがいつやってくるかわからないという不安、いやもしかしてこの不調はすでに波は押し寄せている…⁈ ミモレ世代にとっては全力で取り組みたい課題なのです。
今の自分の健康維持、体調維持をしながら自然に更年期に備える方法はないの? そんな疑問を『自然ぐすり』の著者で植物療法士の森田敦子先生にぶつけてみました。「植物療法とは、食事やハーブティ、エッセンシャルオイルなどで植物のパワーにより自然治癒力を高める療法です。すり傷にアロエを貼ったり、ヨモギを湿布材代わりにしたり、日本でも昔から取り入れられていましたよね。味噌や醤油といった発酵食品も『自然ぐすり』の一種なんですよ」とにっこり。森田先生が植物薬理学を学んだフランスでは不調になるとまずエルボリステリアと呼ばれるハーブ薬局にみな駆け込むのだそう。
「まずは、女性のリズムを整えてくれるティザンヌ、つまりハーブティーを飲む習慣をつけましょう。直接体内に成分を取り入れるので薬理効果も強いんです」と森田先生。メリッサとチェストベリーは婦人科系トラブルに使われる2大ハーブです。PMS(月経前症候群)や生理不順などに悩んでいる場合はぜひ試してみて。「チェストベリーには女性ホルモンの一つであるプロゲステロンと似た作用があり、ホルモンバランスを調整してくれます」フランスでは不妊治療の一環として使われることもあるそう。「メリッサには生理不順や月経痛を和らげ、精神を和らげる作用に優れています」と森田先生。
また暖かいハーブティを常飲することで体を常に冷やさないという効果も。「体温が1度下がると免疫力が4%落ちると言われています」なるほど! 巡る体になるためにもハーブティーで温める習慣をつけないと!
40代のストレスには高麗人参が効く
でも、森田先生が40代女性に特におすすめしたいのは、なにより高麗人参なんだそう。「滋養強壮剤として知られるため敬遠されがちですが、高麗人参(オタネニンジン)は女性こそ摂るべき! 韓国の女性は積極的に取り入れていますよ」と森田先生。女性ホルモンのエストロゲンのような作用があり、精力増進や疲労回復に効果があるのだそう。「なかでもしっかり煮込んだ参鶏湯(サムゲタン)は女性に必要な栄養が効率よく摂取できます。ホルモン分泌を促進し、自律神経などの調整機能に優れている高麗人参に加え、クコの実(コジベリー)やナツメ(タイソウ)のもつパワーが女性性を高めてくれるんです」。
それだけではない。「40代の悩みはディープ。高麗人参にはストレスに打ち勝つ免疫力を高める効果があり、ひどく疲れている人や月経、不妊で悩んでいる人には正官庄という高麗人参のタブレットをおすすめすることもあります」
こんな人には「高麗人参」がおすすめ!
☑ 心身ともに大きな疲労感やストレスを抱えている
☑ 不規則な生活だ
☑ 月経不順や不妊で悩んでいる
☑ 冷え性や更年期症状を緩和したい
☑ 風邪をひきやすい
「気分が塞ぐ」「落ち込みがちだ」などという心の乱れにも、「自然ぐすり」は効果があるようです。
「レモンのように爽やかなメリッサや柚子の香りは副交感神経を優位にし、不安をやわらげ心を軽くしてくれる効果が期待できます」。
メリッサのお茶を飲んでリラックスしたり、柚子のエッセンシャルオイルでマッサージをするのもいいそう。
いかがでしたか?
「もう更年期かも?」「もうすぐ更年期かも?」とおそれすぎずに、普段から、自分自身の女性性ともっと向き合って、ハーブや食べ物などの自然ぐすりと上手に付き合えるようになるといいですね。
♡column♡
デリケートゾーンをケアして女性性を向上
「ホルモンの調子を整え、女性性を高めるには自分のからだと性を大切にしたケアが必要」と考える森田先生がプロデュースしたデリケートゾーンケアのためのコスメ。フランスでは、ホルモンバランスと密接に関係するデリケートゾーンは、「アンティーム(Intime)」(英語ではIntimate)と 呼ばれ、かかりつけの婦人科のドクターとオープンに話し合い、 自分の身体をよく知ることによってケアをしているそうです。
PROFILE
間庭典子/フリーライター。取材をきっかけに走りはじめ、ランニングやゴルフなどウェルネス関係の分野でも活躍。