2015.2.27

祖母の歌集 「つれづれに」

親子3代で続く趣味は縁起が良いと訊く。母方の祖母、そして私の母も短歌を詠んでいるが、私は国語の成績もぱっとしないし、短歌はどうもお笑いになってしまうのだった。

書庫の整理をしていたら、今は亡き祖母の手紙が出てきた。それも大量に。初めての一人暮らしをきっかけに、何かと祖母と文通していては母に言えない話なども書いていた。海外暮らしの時も、祖母は従姉妹に封筒のアドレスを英語で書いてもらい、毎月必ずお守りと共に手紙を送ってくれた。手紙の内容は、料理の事や家事のいろは、お祖父ちゃんが風邪を引いた時の卵酒の作り方やゆず味噌の保存方法、梅の季節には、凍らせた梅の使う事で短時間で梅酒作る方法を伝えたら、祖母もやってみたと、主に生活の中の情報交換を楽しむ内容が殆ど。知恵は勿論だが、いつも手紙の最後には日々好日に、幸せな日々をねと記していた祖母。読み返すと祖母の近況と共に心の情景が浮かんくる。余暇を書、詩吟、社交ダンス、短歌に打ち込む元気な日常だった。

ある日、母が箪笥の奥に眠っていた祖母の着物を陽に干す際に見つけた、古びた大学ノートに記された日記代わりの短歌。ーのちに母が編集人となり、ノートからそれぞれ気に入った歌を選び、パソコンで入力し出版した。奇しくも祖父のお葬式に間に合うかの様に出来上がり、親戚一同に配られた

 

家族全員が登場する歌集「つれづれに」

たとえば、私。

生まれきし孫は男の子にあらざれど元気な産声を慶びとせむ

みどりごの泣く声いまだにみ耳にあり襖ひらきて見んぞと思ふ

まだ名前もない私をみどりご(5月生まれ)と記し、そして絶対男の子が産まれるとお産婆さんの断言を裏切る形で誕生した私。(笑)

歌集には親戚全員が満遍なく登場し、家族の歴史が日常の生活と共に描かれていた。そして祖母の秘密も。

結婚生活のアドバイスはこうだったなあ。(遠い目)

「おじいちゃんとおばあちゃんの真似をしていればいいんだよ」

ジーザスや仏様よりも説得力ある、力強く凛としたリアルな言葉で自信に満ちていた。

状差しを整理しをれどまた元に孫の手紙は納まりにけり

同じく、わたしも元の場所に手紙仕舞った。