3㎝ほどの小さな小さな花束。花の付いたローズマリーとレモンマートルを、ブーケづくりに使う細い針金で束ねています。お店は、クチーナ・トレディチ・アプリーレというイタリアン。テラスにはたくさんのグリーンの鉢があり、この花束のハーブもそこからだそう。

先日の大草編集長のダイアリーにもありましたが、西麻布の隠れ家レストランで楽しいひとときを過ごしました。皆さんより一足先にお店に着くと、待っていたのはこんなテーブルセッティング。白いプレーンなお皿に、ぱりっとした白い布のナプキン。そしてその上には、小さなハーブの花束。そのとき、私の中に浮かんだのは「清楚」という言葉でした。ヴァンテーヌという女性誌の編集をしていた頃、「清楚」は私たちのキーワードのひとつでした。実態のない、けれど確実に人を引きつけずにおかない「清楚」をどう表現したらいいのか、迷い、悩み、考え続けたものです。清潔であること、健やかであること、美しいことーーそれはファッションだけに限りません。この食卓が久しぶりに「清楚」の心地よさを思い出させてくれました。

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『心地よく暮らす――インテリアの小さなアイデア109』


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