2016.10.9

中島京子さんの“婦人”のための十二章

こんにちは、編集・川端です。
引越しを機に買ったまま読んでなかった本がいくつか出てきました。
中島京子さんの『彼女に関する十二章』

帯には「ミドルエイジ応援小説」とあります。なんだか新雑誌のキャッチコピーみたい。「更年期世代の感慨を上質のユーモアに包んで描く」とあって、読んだらmi-molletに役に立つかも。少なくともブログには書きやすそう、という打算的な気持ちで購入したことをここに告白しておきます(汗)。

そんな下心で買ったせいかすっかり放置してのですが、昨日手にとって読み始めました。ソファーにゴロゴロとしながら読み出したら、これは本気で読むやつだ……と思って正しい姿勢に座り直し、夕食を作ってまた読んで、途中、夫が帰ってきたけど読み続け(自分で温めて食べてちょ、今佳境なの私!)、夫が食べ終わる頃には読み終わったという。ふー、一気読み。

主人公は、宇野聖子(50歳)、夫の守は編集プロダクションで企業のPR誌などを制作・執筆、大学院生の息子が一人。息子が中学入学するころまでは専業主婦だった聖子さんですが、今は知り合いの税理士事務所で週3のアルバイトをしています。

『婦人公論』の連載をまとめたものなので、1話1話は短く、1話で1テーマは完結するのですが、話としては繋がっています。この小説がユニークなのは、60年前のベストセラー、伊藤整の『女のための十二章』と連動しながら、現代の聖子さんの十二章が進んで行くところにあります。

戦後10年ほどの頃の“婦人”に向けた男性作家によるエッセイ(という名のおっさんの説教)ですから、今とは価値観がぜんぜん違います。は?なに言っちゃんてんの?というところもあるのだけど、聖子さんはその古風な言い回しにホッとしたり、励まされたり。そして、毎回、少しづつ新しい世界へ足を踏み出します。

やっと本を本棚に全部仕舞いました。ここは1軍スペース。奥の赤い背表紙は『ガラスの仮面』(笑)。

中島京子さんといえば『FUTON』の衝撃がすごくて、その後何冊か読みました。黒木華ちゃんと松たか子さんで映画化された『小さいおうち』は名作ですね。どれも奥行きのあるユーモア、昭和な文体が魅力です。子供の頃に親の本棚からこっそりとって読んだ向田邦子さんの小説を思い出すのです。ああ、向田邦子さんの話はまた今度どこかで!

ではではまた〜。