今年、取材で訪れたベルギーのアントワープのレストラン。全体の照明の暗さが日本とは違います。キャンドルの存在感が引き立つのは、この落ちた照明のおかげ。そして、キャンドルもひとつだけだからこそ、この美しさを堪能できるのだと思います。

今日の見出しは、イギリスのデザイナーであり、詩人でもあるウィリアム・モリスの言葉です。人のものはよく見えても自分のものの価値に気づかないことは多いものです。私自身、ものを生かしきれていないと思うことがしばしば。どうすれば、その価値に気づくことができるのでしょうか? ひとつの方法は、量を減らすことだと思います。クローゼットの中の洋服も、少なければ全て見渡せ、忘れられた服はなくなるでしょう。かなり勇気がいることですが、選択肢があるということが豊かとは限らないのです。ひとつのものを最大限に生かすこと。花瓶もカトラリーもティーカップもキャンドルホルダーも、たくさんはいりません。今あるものを生かし切りましょう。
今年一年、本当にありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

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