ベルギーで取材したお宅にあった、トーネットのダイニングチェア。建築家のコルビジュエも愛したデザインです。無塗装の仕上げが素朴なテーブルとぴったりでした。時間とともに傷や汚れが一体化していく木の椅子は、自分の人生を重ねていくのにふさわしい家具だと思います。

インテリアもファッションも、その人自身を表すものだと思います。どう見られたいか、どう暮らしたいか、何をしたいのか。インテリアを考えることは、自分の生き方を考えること。今、買う家具は、20年後も一緒にいることを想定しなくてはなりません。その頃、あなたはどんな暮らしをしているのでしょうか? 家を建てることも、リノベーションすることも、ソファを買うことも、大切なのは、それを手に入れる前に「自分の人生を考える時間をもつ」ということ。リノベーションをして、私は自分の人生をリセットしたという実感をもちました。自分と家族が暮らすための心地いい場所ーーインテリアはあなたの生き方の表れなのではないでしょうか。

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『心地よく暮らす――インテリアの小さなアイデア109』


下田結花のブログ「インテリアの気づき」
モダンリビングのインテリアサイト「MLインテリア」

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