2015.3.12

Diorオートクチュールのショーに、オリンピックを見た!?

編集部・大森が試写室で思わず涙ぐんでしまった作品『ディオールと私』を紹介いたします。

ディオールと私』 3月14日(土)、Bunkamuraル・シネマ他全国順次ロードショー ©CIM Productions  

クリスチャン・ディオールのデザイナーにラフ・シモンズが抜擢されてから、約3年がたちました。そのデビュー戦、2012年オートクチュール・ショーまでの8週間を追ったドキュメンタリー作品です。

パリ・コレクションまでに与えらえた時間は異例の8週間。通常の準備期間の半分以下で54体のオートクチュールの発表を求められたラフ。過酷すぎる! ちなみにラフはそれまでメンズのプレタポルテで名をはせていたデザイナー。その彼が、名門ディオールのオートクチュールを手掛けるということ自体、かなりの難題なのです! ©CIM Productions

と、聞くと、「私はモードに興味がないから……」と敬遠してしまう方もいるかもしれません。が、それはあまりにももったいない!

そこで、私が観ることを特におすすめしたい方は、スポーツ観戦好きな方です。映画のクライマックス、いよいよショーが始まる前の私の緊張感。それは、例えるなら、日本サッカー代表のワールドカップ最終予選の負けたら終わりな試合のPK戦の前。フリーでの逆転を試みるために守りに入れないオリンピックの浅田真央選手の滑走前。グランドスラム決勝で錦織選手が最終セットにもつれこむ……そんな試合をLIVE観戦しているくらいの緊張感と言えばなんとなくお分かりいただけるでしょうか?

あれ、かえってわかりづらかったですか?

寝る間も惜しんで一枚の布にラフ、そしてディオールの魂を吹き込むお針子さんたち。彼、彼女たちに視点をうつせば極上の『プロジェクトX 挑戦者たち』『プロフェッショナル 仕事の流儀』を観ているような感覚に! 私の脳内では(勝手に)田口トモロヲのナレーションが再生されました。 ©CIM Productions

とにもかくにも、ひとりの天才が、はかりしれないプレッシャーを受け、苦悶しながらも、目標に向かい才能を研ぎすませていく。それをサポートするプロフェッショナルな人たち。そして、それらがひとつになっていく見事なまでのチームワーク……結果、苦難を乗り越え、大団円を迎えるサマに、私は極上スポーツ観戦をした後のような多幸感を覚えたのです。

当時も感動しましたが、この映画を観た後は、コレクションの素晴らしさが何倍にも偉大なものに感じるのでした。すべてのルックを見たい方はコチラ
©CIM Productions
ランウェイシーン、私の脳内では(勝手に)行進曲『威風堂々』が鳴り響いていました。 ©CIM Productions
 

試写室で思い切り泣くことははばかられましたので、14日の公開後には劇場に足を運ぼうと思います。