毎日が学習。
おしゃれは絶対にうまくなるから

大学生の頃。新人編集者として配属されたヴァンテーヌ編集部で。どうして、周りの人はこんなにおしゃれでキラキラしているのだろう――と、毎日ため息をついていた頃がありました。その頃の私は、おしゃれ=生まれ持ったセンスと思っていたので、「もともと普通が好きで」、「行き過ぎたことを毎回必ず注意された(真っ赤なネイルとか)両親の元に育った私」は、もう一生おしゃれにはなれないのだ、と絶望していたのです。

けれど、最初の仕事の師でもあるヴァンテーヌの編集長との出会いや、たくさんの経験(それは必ずしもファッションのことではなかったけれど)を経て、おしゃれは訓練や学習で上手になる、と確信してからは、ずいぶんと気持ちが楽になりました。

毎日どんなシーンであれ、目的であれ、服は着ます。ということは、毎日少しずつおしゃれはうまくなっているということ。速度は緩めても良いから、決して諦めないことが、上手になるコツだなあ、と思います。

私自身。子供が小さいときのスーパーカジュアルや、妊娠したときのマタニティウェア。一見、おしゃれとは遠いシチュエーションだったとしても、歩幅は小さく、さらにスピードは遅くなりましたが、そのときどきのおしゃれを楽しむこと、諦めないことは、とても大きなステップだったと思います。

44歳になり、さまざまに外見が変わったとしても、20代の時より、当然30代の時よりも、絶対におしゃれは進化していると信じています。1回目の「おしゃれ更年期」のトンネルも無事に抜け、また違う気持ちで毎日のスタイリングを続けていられることを、感謝し、実は間もなくやってくる50代という新しいステージを、心から楽しみにできることを喜んでいます。

今日会った、20代と30代のスタッフの、それぞれのエイジを楽しんでいるファッションを眺めながらそう思った婦人でした。ご存じ鈴木のブルーのコートと、「それおさがりちょうだい」と無茶ぶりをした、元私のアシスタントで現スタイリストの比嘉のスカート(色違いが買えるようです)のマッチングがあまりに可愛くて。ぼんやりと、おしゃれについて考えてみました(笑)。

大草 直子

  • 明日からお休み♡ イベントなどで土日がなかったので、年始も長めに休暇を頂きます。あ、ダイアリーはあげますが! このお休みの間に、大好きな本、光野桃さんの「あなたは欠けた月ではない」をまた読もう。素晴らしい出会いに恵まれた1年でした。
  • 今日の私のコーディネートは、雨対応、だって、朝ものすごい雨でしたから! ホテルでのランチがあったので、防水スプレーをかけたエナメルブーツで!
CREDIT :
ジャケット/グッチ
ニット/シェル
パンツ/ドゥロワー
バッグ/フィリップリム
ブーツ/トゥモローランド