アレルギー体質になってしまう免疫力低下の大きな原因として、ここ最近注目されているのが腸内環境の悪化。
乳酸菌サプリメントなども流行っていますよね。
なんと免疫力を司る「免疫細胞」の約6割が腸に集中しているってご存知でしたか?

腸内細菌の種類や数を増やすのに効果的なのは、何といっても毎日の食事からのアプローチ。

例えば、身近な発酵食品を取り入れる。
漬け物やヨーグルト、チーズには「乳酸菌」、醤油や味噌には「麹菌」、ヴィネガー(酢)には「酢酸菌」が含まれ、腸内細菌を増やす働きをしてくれます。

今回は「毎日、色々な自家製発酵食を食べています!」という人気料理研究家・真藤舞衣子さんに、免疫力向上にとどまらない発酵食の魅力を伺いました。

真藤舞衣子(MAIKO SHINDO)
東京生まれ。IT企業の会社勤めを経て、1年間京都の大徳寺内塔頭にて生活し、その後フランスのリッツエスコフィエにてディプロマを取得。東京都内の菓子店勤務を経て、東京赤坂にカフェ&サロン「my-an」をオープンし独立。6年半営んだ後、山梨と東京の二拠点居住しながら料理教室を主宰し、山梨市にて「Sustainable table my-an YAMANASHI」をプロデュース。料理レシピ開発や食育アドバイザー、オーガニックコンシェルジュ、やまなし大使としても活動している。近著に『煮もの炊きもの』『ボウルひとつで作れるこねないパン NO NEAD BREAD』(共に主婦と生活社)など多数。


発酵食がおいしく体にもいい理由

 

1.腸内環境が大幅に改善。特に“自家製”のパワーはスゴイ!
「発酵食品は世界各地で昔から食卓に並んできました。日本では、“医者いらず”“百薬の長”とも言われる食べ物ですよね。発酵食品を作る過程で発生する、カビ、酵母、細菌といった微生物(いわゆる発酵菌)には、善玉菌が多く含まれ、免疫細胞を活性化してくれます。
例えば、乳酸菌はアンモニアなどの腸内の腐敗物質の増加を抑える働きがあります」

2.酵素の力で老化防止対策
「人間が作り出せる酵素には限りがあり、熱にも弱いので調理法が限られます。毎日摂取するのが望ましいのですが、漬け物やザワークラウトなどは、生の野菜に含まれる酵素をたっぷり摂取できるのが魅力。ちなみに、同じきゅうりでも、生の状態よりぬか漬けになっている方がビタミンB1など栄養価はアップ」

3.抗酸化作用があり、肌の保湿力をアップし美白効果もアリ
「発酵食品には強い抗酸化力をあり、活性酸素を除去して美しい肌へ導いてくれます。新陳代謝を高めて肌のターンオーバーも整い、保湿効果や美白効果も実感できると思いますよ」

4.素材のうまみを引き出し、おいしい料理に仕上げる
「微生物が野菜や肉、魚、牛乳といった食材に付着して発酵が進むと、原料にはなかった様々なうまみや栄養素が生まれます。ぬか漬けの場合だと、アミノ酸によるうまみ、乳酸の酸味と香りが混ざり合い、新しい食材になるのです。塩糀で鶏肉を漬けたフライドチキンや酸っぱい白菜の漬け物を主役とした鍋ものなど、発酵食材は私のレシピに欠かせないインスピレーションです」
 

 
<新刊紹介>

『おいしい発酵食生活 意外と簡単 体に優しい FERMENTED FOOD RECIPES』
真藤舞衣子・著 ¥1400(税別) 講談社

おいしくて簡単にできて、素材の組み合わせが斬新だと大人気の真藤レシピ。幼いころから慣れ親しんできた“発酵”をテーマにしたレシピBOOKを発売! 毎日の食卓にも、友人のもてなしにも大活躍。レシピ例:自家製白味噌、塩糀ラタトゥイユ、野菜のぬか漬け、味噌クラムチャウダー、酒粕グラタン、スペアリブのザワークラウト煮込みetc.


第2回「炊飯器を使えば簡単!半日で作れる自家製味噌レシピ」はこちら>>