去年、ベルギーで取材したダイニングは、素朴で美しく、清潔感に溢れていました。温かみのある乳白色の器、キラキラ光るごく普通のグラス、麻のナプキン。テーブルクロスをかけず、木の質感そのままの食卓。そのとき、一冊の本を思い出しました。「シンプルだから、贅沢」(ドミニック・ローホー・著/原 秋子・訳 講談社)。日常に最もよいものを使うという贅沢。シンプルは、決して安いことでも、素っ気ないことでもなく、常にベストのものを選択するだけのこと。その簡潔な思想にとても共感しました。私の実生活はなかなかそうはいかないのですが、このベルギーの食卓は、まさに「シンプル だから贅沢」でした。

何度も読み返している本、「シンプルだから、贅沢」(ドミニック・ローホー・著/原 秋子・訳 講談社)。装丁も本の本質を表現しています。

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