2017.4.4

まめに「憩う」

適温のお湯で茶葉を開かせて、ゆっくりと淹れた緑茶は、甘みと香りが全身に広がって、疲れがスッと抜けていきます

今日、4月4日から19日までを、二十四節気では「清明」といいます。

その字のとおり、天地に春の気が満ち、ものみな清らかに澄み切って明るく輝くとき、という意味です。

古代中国では、清明節の時に先祖の墓参りや、「踏青」(とうせい)と呼ばれる野歩きの行事など、のんびりと春を味わう暮らし方が行われてきました。

ところが今月、年度替わりの日本では、慌ただしいことこの上なし、ですよね。

2月末に日が足りないと慌て、3月で加速度がつき、4月で忙しさ本番。考える暇もなく猛スピードで日が過ぎて行く春を毎年、繰り返してきました。

でも、今年はそれを少し改善してみよう、と思い立ちました。もう少し、ゆったりとゆとりある暮らしはできないものか。

この時期に、体調や心の陰翳に気を配ることは、1年を健やかに過ごす肝のような気がするからです。ここで整えておけば、猛暑の夏も乗り切れそうな気がします。

どうしたら、立ち止まることができるのか。

そう考えたとき、養生訓のことが頭に浮かびました。

自分なりの養生訓を作ってみよう。そうしたら、一日八茶という言葉が生まれました。

一日に八回、お茶をする。

たとえ五分でも、その時は忙しさを忘れ、お茶の香りに浸り、その味わいに集中します。

そうすることで、立ち止まることができ、リフレッシュにもなるのではないか、と。

わたしの一日八茶は、こんな感じです。

1 まず朝起きてすぐ、白湯を
2 朝食前の仕事がひと区切りしたら香ばしい玄米茶
3 朝食後にコーヒー
4 仕事や家事の途中、10時半ごろティーブレイク。お茶以外に発酵ドリンクやジュースなども
5 昼食後に緑茶(ビタミンC補給)
6 ワクワク3時のおやつと、それに合わせたお茶
7 夕食後に一保堂のいり番茶かフォートナムメイソンのラスサンプーチョン(正露丸に似た味の紅茶)
8 就寝前に、温かい甘酒を少しか、白湯

わたしは家で仕事をするので、お茶の時間を取りやすいのですが、お勤めの方は難しいでしょうか。

以前、ある女優さんが、生姜と蜂蜜で作った特製ドリンクを保温水筒に入れて、どこででも飲む、という記事を読んだことがあります。

それを飲むとホッとして、自宅でくつろいでいる時の感覚が甦る、とありました。水筒に「いつもの自分の味」を入れていくのもいいですね。

真面目なひとは根を詰めがち。そして、休むことは罪悪という気分が身についてしまっています。

甘えず頼らず走り続けてきたわたしたち。

だからね、サボるのでも大きく休むのでもない、ただ、まめに「憩う」。

この春は、そんなリズムで暮らしたいと思うのです。

大好きなイギリスのアーティスト、スティーブ・ハリソンの作品を扱う「ギャラ リー久我」でのお茶の風景。オーナーの久我恭子さんが、おはぎとコーヒーをすべてスティーブの作品でしつらえてくれました。異文化のものたちが不思議にマッチし、深く落ち着いたお茶の時間が立ち現われる
「飲む点滴」甘酒を一年中、常備しています。寒い季節は温めて、これからは冷やしたり、豆乳やグレープフルーツジュースで割るのも美味しい。すべてを終えて、あとは寝るだけというひと時、甘酒の優しい甘さに癒される