2015.3.24

ビョークの新譜『VULNICURA(ヴァルニキュラ)』に思うこと

ビョークを初めて観たのは、第2回目のフジロック@有明だった編集部・大森です。ステージの最後に花火があがった瞬間、「もうこのまま私は消えてしまってもいい」と思えるくらい感動したのを覚えています。「ビョークが好き♡」と、てらいなく公言することは、なんだか“わかってるでしょ、私”感が強く出る気がして(自意識過剰ですね……)、当時はなかなか口に出しずらかった多感なお年頃(結構なオトナでしたが……)でもありましたが、不惑をすぎたので堂々と言ってみます、「私、やっぱりビョークが好きです」。

4年半ぶりの新譜。日本盤は4月1日リリース!

そして、iTunesで先行配信されてはおりました(なんと音源が流出してしまったがための苦肉の策だったようです……!)、ビヨークの新譜『VULNICURA(ヴァルニキュラ)』がいよいよ発売されました。このアルバムは、長年連れ添った最愛のパートナー、現代美術家のマシュー・バーニーとの離別、絶望、家族崩壊からの傷の癒えがテーマになっています。歌詞を読むと、ジャケットのアートワーク同様、彼女が負った心の傷の深さがわかります……。

Twitterにあがったビョークからの直筆メッセージ。これだけで、彼女がこのアルバムにこめた思いが分かるというもの。

私が彼女のアルバムの中でいちばんよく聴いたのは2001年リリースの『Vespertine(ヴェスパタイン)』。「マシューとの出会いにインスピレーションを得た」と当時インタビューで語ってたビョーク(テーマは愛とセックス)でしたので、彼女が内面を吐露したいタイミングで出すパーソナルな作品がとりわけ私の心には刺さるのだなぁ、と。昔は聴いていたけれど、少々前衛的(シャーマン的?)方向につっぱしていたここしばらくのビョークを静観していた方にこそ、今回の新譜はご一聴いただきたいです。 

2001年のアカデミー賞授賞式で、「ん? ドリフターズ? 志村けん?」と話題になりすぎたマラヤン・ペジョスキーの白鳥ドレスを着た『ヴェスパタイン』のジャケ。

余談ですが、現在、ニューヨークのMOMAでは、ビョークの回顧展を開催中。写真、音楽、映像、インスタレーションなどを通し、20年以上におよぶキャリアを振り返ることで、彼女の現代アートシーンにおける独自の立ち位置が再確認できる展示内容だそう! 

アーティスティックな衣装の数々をビョーク蝋人形に着せているため、マダム・タッソー度が高いらしい展示は、かなり酷評を受けているとも……。この目で真偽のほどを確かめたい!