意外と持っていなかった、黒のレザーベルト。二重巻だから、ブレスレットとしての機能も果たしてくれます。

「あなたが時計をちらっと見るたび、泣きそうな気分になるの」この世代ならみんな知っている、松田聖子さんの名曲「赤いスイートピー」の一節。今の若いお嬢さんたちはわからないだろうな。この感覚。今は、人との食事のテーブルの上にも常にスマホが置いてあって、それは、人とのつながりから、今この世の中で起きているニュースから、そして「ちらっと見るものであった」時間まで、全部詰め込まれているのですから。

歌詞に心惹かれるように、目の前、もしくは隣の人が時計を見る仕草が好きです。スーツ姿の男性が、少し腕を前に伸ばして、上質なジャケットやシャツのカフスに隠れた「彼の名品」を誇らしげに見る感じにもぐっとくるし。女性の場合は、過去を連ねたジュエリーと一体化したフェイスを、見事なタイミングで盗み見ているのを発見した時にはドキッとするし。そう、時計って、その性能や資産としての価値、持ち主の繊細なセンスを表す小さきものでもあるのですが、「時を確認する」という仕草までが問われてしまうものだと思うのです。

そんなことを私に教えてくれたのが、ティファニーのイースト ウェスト。レザーのストラップが二重巻の、小さなフェイスのものを所有していますが、この時計をしているときは、少し「淑女な気分」になります。近くの人に気取られないように、そっと時間を確認する――これこそが、私の胸を締め付けるあの歌詞のように、エレガントで少し意地悪なシーン。手首をそっと動かすだけで時間をパーフェクトに把握できる、そのデザインに心惹かれたのです。
 



ほかの愛してやまない時計たち

こんなに軽くて、こんなに見やすい時計は初めて。この時計をするときは、「ちらっと見る」ことは横に置いて、しっかりと時間を確認します(笑)。「時計はシチズン(市民)のものだ」という、会社のメッセージも好き。
92歳で亡くなった父方の祖父の遺品。きちっとメンテナンスがされているこのジャガー・ルクルトは、70歳を超えて1人世界一周旅行に出かけた祖父の、自由で大胆な生き方を私に伝えてくれるもの。つけていると必ず褒められるのも、祖父からのご褒美みたいで嬉しい。

 

NEWS PICKS from EDITORS

「ティファニー イースト ウェスト ミニ」に
交換用カラーストラップが登場!

ストラップを替えればスーツからデニムまでどんなスタイルともマッチして、ますます愛着の湧く1本になりそう。現在国内では、ティファニー銀座本店とティファニー大阪梅田店でのみ購入可能。

横向きの文字盤が唯一無二の存在感を放つ「ティファニー イースト ウェスト ミニ」から、カラフルな交換用ストラップが新登場! ポップからシックまで表情豊かな12色と、表裏で色が異なるバイカラー4色が揃った全16パターン。さらに、それぞれシングルとダブルストラップが選べる幅広いバリエーションで、時計こそ自分らしく演出したいミモレ世代のおしゃれ心にしっかりと応えてくれます。自分で簡単に付け替えられるから、その日の気分次第でコーディネート。時計としての品格はもちろん、多彩な表情を見せてくれる自由さが、身につけるたび、胸をワクワクとときめかせてくれそうです!

構成・文(コラム)/村上治子