2017.5.30

小さな花を、ふだんの器で気軽に飾る 2

 

南青山の花店ル・ベスベ、スタッフの中原典子さんに教わる、小さな花を毎日飾るアイディア。今週はその第2弾です。

少ない花材、また安価な花でも存在感が増し、大人っぽくチャーミングに活ける方法、そして、わたしも好きな「名もない道端の花」を飾る工夫をお伝えします。

上の写真、これはミスティックサラという名前のスプレー薔薇。

一本に5輪ほども花がついて、だいたい350円くらいでしょうか。お得感があり、わたしも求めることが多いのですが、普通に活けると、いまひとつ可愛くないのです。

そこで、小さなラウンドブーケにしてみたらどうかしら、と考えました。

ラウンドブーケは、いわゆる花嫁の持つ丸いブーケのことです。そのミニミニ版を作ったら可愛いのでは、と中原さん。

まず花を中心の茎から切離し、それぞれの茎の上の方を持って、一本一本きっちりと束ねていきます。

 

丸く束ね終わったら、そこに好きな葉っぱをぐるりと重ねます。今回はピンクの花にニュアンスを与えてくれるエンジ色のアクセントが入ったゼラニウムの葉を選びました。

 

束ね終わったら、花のすぐ下を紐で縛って、茎の長さを切りそろえます。一度に切ってしまうと失敗しやすいので、何度か試しながら少しずつ短くしていきます。

すべて同じ長さに揃えることはできなくても茎の長い部分があることによって、器に活けるときに形になりやすいのです。

出来上がったブーケを、いつも使っているグラスに活けてみました。直立させず、そっと首を傾けるようにすると自然な感じになります。これでスプレー薔薇3本です。

夜、家に帰って、食卓やキッチンのコーナーにこんな小さなブーケがあったら、自分へのちょっとしたご褒美、そんな気分になりそうです。

ラウンドではないのですが、高さ10~13センチほどのブーケにしたスズラン、オダマキ、ライラック。少ない花の量でもまとまり、ボリューム感が出ます。ふだん使いの白いコーヒーカップに活けてみました。


さて、次は名もない花や草を飾ってみましょう。

小さなプリン型を3つ使って、ヘビイチゴとスミレを。スミレはごく小さいのですが、ちゃんとスミレの貌をしています。

わたしは道端の草花が好きで、つい足を止めて眺めないではいられません。

かがんでよく見ると、本当に繊細な形や、かそけき色をしているものが多く、愛おしさでいっぱいになります。

中原さんが、ご自宅近くのグランドで、いろいろと見つけてきてくれました。

グランドにたくさん生えていたというふわふわした小糠草、シロツメクサの葉と花、名前を特定することができなかった茶色の草を、ジャムの瓶に。川越の木工・漆芸作家、若林幸恵さんの手刳り、拭き漆の器と合わせて玄関に。雑草の生命力が、若林さんの作品と合いました。
これも野原に生えている背の高いヒュンヒュンした草、イヌムギ。それに緑がかった貝母ユリを合わせて。緑の風が吹き通るかのようです。

道端の小さな世界を窓辺に。そして、草と花店で求めた花材を合わせて飾る楽しさも。

新しい花の世界を発見する面白さを感じていただけたら嬉しいです。

南青山のル・ベスベ。さまざまな花材で、どんな注文にも快く応じてくれます。もちろん一本から購入可。奥深く、優しい花の世界に触れる都会のオアシスのような店です。