光野桃「美の眼、日々の眼」

2017.7.18

わたしの夏旅じたく

キャリーケースを出して荷物を詰める前にまずやるのは、その旅ごとにお守りを決めること。友人の鏡作家、三輪愛さんに作ってもらったコンパクトな手鏡はほとんどの旅に同行。あとは、石と貝殻の棚から直観で1~2個選び、小さな袋に入れて手持ちのバッグに。

子どもが巣立ってからは、ひたすらリラックス、ホテルの部屋や海辺に本を持っていき、だらだらするのが夏旅のスタイルです。

そんなわたしの旅じたくを、少しだけですがご紹介します。
 

ホテルルームを香りで満たす

ホテル好きなわたしにとって、部屋はとても大事な場所。どんなホテルであろうとも自宅にいるようにリラックスしたいので、日頃愛用している香りは欠かせません。左3本はバンフォードのオーガニック・エッセンシャルオイル。リラクゼーション、エナジー、プロテクションのテーマに沿ったブレンドは、手首や耳たぶにロールオン。特に眠る前には大切な儀式です。右はフエギア1833のパフュームオイル。香水で使っているものと同じフエムル。もちろん香水も瓶ごと持参します。お風呂用のタスマニアンラベンダーやユーカリのオーガニックオイルも。持っていく化粧品がとても少ない分、香り関係がポーチのほとんどを占めてしまいます。
写真右は、空間の気を浄化するためのスプレー。自分で調合して作ることもありますが、このアラスカンエッセンスの「Calling All Angels」も好きなスプレーです。部屋に入ったらすぐ、部屋の四隅と中央にスプレーします。中と左はバッチ・フラワーエッセンス。レスキュー用のファイブフラワーレメディのクリームとエッセンスです。すべて香りはありませんが、清々しい状態に心と身体、空間を整えてくれるものです。


旅先のおしゃれは光のタイムテーブルで

朝は白を着ます。初めてハワイに行った大学生の時、朝食のテラスにいる欧米人が、ほとんど白い服を着ていることにびっくりしました。なぜ白なのか、と観察していると、早起きして、テニスなどのスポーツをひとしきりこなし、ついでに海辺をひとっ走りしてから朝食のテーブルに着くのです。老若男女、スポーティな純白のポロシャツやTシャツに短パン、靴も真っ白なテニスシューズ、といったスタイルが子ども心にも格好よく見えました。パリッとした麻にカットワークレースが施された白のサンドレスに、エスパドリーユのマダムも可愛かった。朝の強く新鮮な光の中では、コットンや麻の質感が目にも気持ちがいいものです。白Tにターコイズやゴールドのピアスをつけて。
午後4時を過ぎたらシャワーを浴び、部屋でゆっくり白ワインかスプマンテを飲みたい。子連れ旅をしているとき、そんな憧れをもっていました。夕暮れて、光が甘く、やわらかくなってきたら、服もやわらかく、流れるようなラインのものに着替えたい。そして、日常ではほとんど手に取ることのない透ける素材や、きれいな色を着たくなります。左はインドで作られた、裸でいるより涼しい薄手シルクのワンピース、右は、草木染のピンクがだんだん暮れていく空に合いそうな、麻のウォッシュ加工のカシュクールドレス。皺が気にならず、小さく畳め、軽いことが大事ですね。4泊5日なら夕暮れの服は2枚、そのままサンダルだけトングに替え、ジュエリーをつけてディナーにも行ってしまいます。


なにかと便利な袋物と布

キャリーケースの中を楽しく整理するために布袋はたくさん揃えています。ホテルについて荷解きするとき、好きな色や質感が目に入ってくると旅の気分も上がります。仕分けするためだけの機能的なケースはどうも好きになれず、気に入った布袋に何でも入れています。メキシコ製のこの袋はしっかりできていて大きさもあるので、下着やソックス類、薄いシルクニットのパジャマなどを仕分けし、現地ではバッグ代わりに使います。
どんな旅でも必ず持っていくのが大判のショール。ホテルルームの椅子やソファの背に、好きなショールが掛かっているだけでリラックスします。山のロッジで仲間と自炊するときは、エプロンにもテーブルクロスにもなり、海辺のリゾートなら、水着の上に羽織るだけでなくパレオのように着たり、ターバンにしたり、もちろん何かを包んでバッグのように持ったり、ベッドカバーやスロー替わりにも。 娘が小学生の頃、ランカウイ島やコタキナバルで、ランチボックスを作ってもらって無人島ホッピングに出かけ、誰もいない海岸の、気にいった木に布を結んで目印にしたのも懐かしい思い出です。左はインドのカディコットン、右はdosaです。


夏の旅は洗濯することも考えて、服は少なめに、そのかわり自分にとってのリラックスアイテムをしっかり持っていきたい、というのがわたしの旅じたくのベースです。

基本的にアクティビティなし、どんな国でも名所旧跡はほとんど行かず、ホテルの中とビーチ、気に入った路地と市場とカフェに通い詰める、というずぼら旅ですが、一番の楽しみは、東京の忙しい暮らしでは味わえない光の変化を感じて1日を過ごすこと。

朝は日の出とともに起き、夜は漆黒の海に映るムーンロードを眺めながら眠りにつく…。

ここ何年かは夏休みが取れず、そんな旅をしていませんが、この記事を書いていたら、さまざまな光の情景が懐かしく甦ってきました。