旅をより充実させるために欠かせないのが本。初めて読むものはもちろん、すでに読んだことのあるものでも、非日常の中で読むとまた違った味わいになるのがいいですよね。今回は、読者とブロガーのみなさんからお寄せいただいたアンケートから、特に票の多かったおすすめ作品をご紹介します!

<1>この人の作品はハズレなし!
人気作家ベスト3

今回のアンケート、個別の作品名ではなく作家名で答えてくださった方が多いのが印象的でした。みなさん、それぞれお気に入りの作家さんがいらっしゃるんですね! というわけで作家別に集計したランキングがこちら。あなたのお気に入りの作家さんは入っていますか?

第1位 村上春樹

「アフターダーク」(講談社文庫刊)

小説、エッセイのジャンルを問わず人気だった村上春樹さんが堂々の1位に。あわせて「独特な世界観は旅先のほうがしっくりくる」との意見が多数寄せられました。まだ読んだことのない方は、次の旅でぜひトライしてみては?

・「物語の非日常性や文体のキザな雰囲気が、日常とかけ離れた旅先だと受け入れやすくマッチすると思います」(mahorinさん)
・「『1Q84』は時々ふっと読みたくなるので、文庫本を購入。日頃は途中で中断してしまうので、プールサイドでのんびり読む」(ニックネーム非公開)
・「村上春樹さんの世界観は、旅先でのめり込んで読むにはぴったり。彼の作品はどこか異次元の世界で不思議な時間が広がります。まさにファンタジー。『アフターダーク』も不可解でありながら、登場人物も謎めいて、背景の描写の描き方、時間の流れも複雑。イマジネーションが駆り立てられ、まるで映画を見ているかのよう。旅先に読みふけるにはオススメの一冊」(ブロガー水野優子さん)

第2位 原田マハ

「楽園のカンヴァス」(新潮文庫刊)

近年、話題作を次々発表している原田マハさん。美術館のキュレーターとして活躍した経験からアートに関する作品も多く、なかでも『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞を受賞、直木賞候補にもなった著者の代表作。

・「原田マハさんの本。読みやすく、好きです」(唐辛子さん)
・「絵画の話が特に好きです。壮大なお話が多いので非現実的な旅の時間におすすめです」(RURIさん)
・「さらりと、気分よく読める」(ブロガー松井陽子さん)

第3位 宮本輝

宮本輝さんは“生きる力”や“挫折からの再生”をテーマにした作品が多く、旅に深い感動を与えてくれそうです。ちなみに『ここに地〜』のタイトルはヨーロッパ最西端、ポルトガルはロカ岬の石碑にある一文なのだとか。これだけでも興味をそそられますね!

・「『ここに地終わり海始まる』は、読んだ後実際にポルトガルに行ってしまいました」(みねさやさん)
・「その世界にどっぷり浸かり、シリーズものを読み漁る」(ブロガー松井陽子さん)
・「いつも旅行先にちなんだ本と、夢中で読める小説を上下巻で。次のロンドンでは『海岸列車』を持っていきます」(ブロガー山根亜希子さん)


<2>旅の気分を盛り上げてくれる
旅行記・旅先を舞台にした本

恋愛、ミステリーといったジャンルで見ると、“旅そのものをテーマにした本”やはりが人気でした。さらに「その地が舞台の本があると旅が盛り上がる気がします(parisさん)」。というように、旅先に合わせて選んでいる方も多いようですね。ここでは、その中でも票の多かった2作品をご紹介します。

沢木耕太郎

「深夜特急」(新潮文庫刊)

 旅といったらこれしかないでしょ!という熱狂的ファンも多かった、紀行小説の金字塔的作品。香港から英・ロンドンまで、約2万キロに及ぶユーラシア放浪の旅が描かれます。文庫全6巻の大作なので、一気読みでその世界にどっぷりハマりたい!という時にもおすすめです。

・「深夜特急。バイブルです」(rienaさん)

吉本ばなな

海外からの評価も高く、特に女性からの支持が篤い吉本ばななさん。『マリカのソファー/バリ夢日記』は、バリを舞台にした小説と紀行文を併録。

・「リゾートのプールサイドで読みたいのは吉本ばななさん。湿度を感じるあたたかな空気をまとったような独特の世界観に浸るのが定番。特にバリ、東南アジアにご旅行される方にはオススメです」(ブロガー石川雅子さん)


<3>さらっと気軽に読めるのがいい
エッセイ・短編集

旅の間に読み切れる短編集、どこから読んでもいいエッセイも人気。なかには「小説などは、気が散って内容を忘れるから。間に昼寝が入ったりして(ニックネーム非公開)」という意見も。たしかにそれはありますね! 幅広い作品・作家名が集まった中、なかでも人気だったのがこちらの3名。

向田邦子

「父の詫び状」(文春文庫刊)

なんてことない日常を、ユニークな視点で切り取った向田邦子さんのエッセイはどれも名作ばかり。『父の詫び状』は、その中でも著者の代表作といわれる作品。

・「エッセイ集第一弾の『父の詫び状』。背景や人間描写が深く描かれているので、その世界にすぐにのめり込んでしまいます。温泉宿の畳のあるお部屋で読むにもぴったり。昭和の良き時代の面影を感じつつ、向田邦子さんの俯瞰でみる家族描写がどこか面白い一冊です」(ブロガー水野優子さん)

益田ミリ

「お茶の時間」(講談社刊)

マンガ家で唯一ランクインしたのが益田ミリさん。のんびりほっこり、でもたまにドキッとさせられる作風は、リラックスして過ごす時間にぴったり!

・「益田ミリさんの『お茶の時間』は、パッと開いてどこからでも読める手軽さと、読んでいるとどこかでお茶をしたくなるのが旅にぴったり」(はらんださん)
・「益田ミリさんの旅行エッセイ。とにかく旅行という非日常に浸りたいため」(みみ33さん)

星野源

“逃げ恥”効果もあるのでしょうか、俳優、歌手、さらに文筆業とマルチに活躍する星野源さんも人気でした。『いのちの車窓から』は、雑誌「ダ・ヴィンチ」での約2年間にわたる連載をまとめた最新エッセイ。

・「最初からずっと読むのもいいですが、適当なページをえいっと開いて1章だけ読んでも気分転換になります。“くだらない”の中に気づきがあります」(kuytさん)

気になる作品はありましたか? 「私の好きなこの作家さんも読んでほしい!」「この作家さんならこの作品もおすすめ」などありましたら、ぜひコメントで教えてください! 次回は「キッズフレンドリーな宿3選」です。どうぞお楽しみに!

 
 
取材・文/山崎 恵 構成/川端里恵(編集部)
 

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