「調理に時間がかかってしまう」「作るのがめんどう」「頑張って作ったわりに、おいしくない」―――おいしいごはんは食べたいのに、なかなかうまくいかないという人にこそぜひおすすめしたいのが、今や予約待ちの大人気となっている「バーミキュラ」をはじめとした”鋳物鍋”。今日から3回にわたって、料理家の大庭英子さんによるバーミキュラを使った簡単レシピをご紹介します。今回は”鋳物鍋”の威力を発揮する「余熱調理」。これを知れば、今日からぐっと調理が手軽になります!

「ほったらかし」がおいしくなる秘密!

「余熱調理」という言葉を、どこかで聞いたことがある人もいるのでは。鍋に食材を入れ、炒めるなどしたら火を止めてしまい、放っておく調理法のことです。火を止めてほったらかしておくだけなのだから、これ以上簡単なことはありません。その間にほかの料理や家事をするもよし、あとは余熱の力で、鍋が勝手に食材をおいしくしてくれます。

『毎日の「バーミキュラ」レシピ』(講談社)を9月に刊行したばかりの料理家・大庭英子さんも、余熱調理を活用する一人。「バーミキュラなどの『鋳物鍋』とよばれるお鍋は、密閉性や保温性が高く、加熱したら放っておくだけでジワジワと味がしみてくるので、とってもおいしく仕上がるんです」。
いつも時間がなく調理している人などには、手軽にできるのでおすすめの調理法、余熱調理。大庭さんに本の中からとくにおすすめのレシピを紹介してもらいました。

●「煮豚の半熟卵添え」

 

 材料(4人分)
・豚肩ロースかたまり肉(ネット付きのもの) 400~500g
・半熟卵 4個


・しょうがの皮 1かけ分
・長ねぎの青い部分 6~7㎝
・酒 大さじ3
・水 カップ1と1/2



・砂糖 大さじ2
・しょうゆ 大さじ4~5
・サラダ油 少々


 作り方 
豚肉は焼く約2時間前に冷蔵庫から出して、室温に戻す。ネット付きでなければたこ糸で全体を縛る。
鍋にサラダ油を中火で熱し、①を入れて表面を焼きつける。Aを加え、煮立ったらふたをし、弱火で約20分煮る。
しょうがと長ねぎを取り出し、Bを加えて混ぜる。ふたをして弱火で20~30分煮込み、そのまま冷ます。
半熟卵は殻をむき、冷めた③の鍋に加える。途中上下を返して、1~2時間つける。
豚肉のネットを取り、鍋を再び中火にかけて少し温める。豚肉は食べやすく切り、半熟卵とともに器に盛る。残りの煮汁はとろりとするまで煮つめて煮豚にかける。

 

●「鶏ハム」

 

 材料 2本分(4~6人分) 
・鶏胸肉 大2枚(約600g)


・塩 小さじ1と1/2
・こしょう 少々



・香味野菜(玉ねぎ、にんじん、セロリなど) 適量
・白ワイン 大さじ2
・ローリエ 2枚
・タイム 少々
・レモンの半月切り 4枚


・イタリアンパセリのみじん切り 少々
・粗びき黒こしょう 少々
・好みの野菜 適量

 作り方 
鶏肉は厚みのある部分は包丁で開くなど、厚みを均等にしてボウルに入れ、Aをふる。
Bの香味野菜は薄切りにし、ローリエは手で粗く裂く。
①にBを加えて混ぜ、保存袋に入れて冷蔵庫で一晩ほどつけ込む。
鶏肉をラップにのせ、手前から巻き込んでロール状にする。端はねじってたこ糸で結び、全体にたこ糸を巻き、もう片方の端もたこ糸で結ぶ。
鍋に水カップ6~7を沸かして④を入れる。再び煮立ったら、ふたをして弱火で8分ゆでてそのまま冷ます。

 

⑤を冷蔵庫へ入れて冷やし、8㎜厚さに切る。好みの野菜とともに器に盛り、パセリとこしょうをふる。

 

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●今回使用した鍋は

「ほったらかし料理」は、忙しい平日のお料理はもちろん、来客時のおもてなしにもぴったりですね。

次回(9月22日公開予定)は、鋳物鍋を使った「無水料理」のレシピをご紹介します!

大庭英子

料理研究家。身近な材料と普段使いの調味料で作る、簡単でおいしく、アイデアあふれた料理に定評がある。和・洋・中華・エスニックのジャンルを超えた幅広いレパートリーは、どれも自然体のおいしさで、たくさん食べても飽きない味わい。雑誌・新聞・広告と活躍の場も広く、あらゆる年齢層から支持を得ている。著書に『おいしい豆料理手帖』(家の光協会)、『ラクラク冷凍レシピ』(講談社)など多数。

 

『こんなに使えて、こんなにおいしい! 毎日の「バーミキュラ」レシピ』

大庭英子・著 講談社
1300円(税別)
ISBN 978-4-06-509102-9

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撮影/嶋田礼奈(講談社) 文/庄山陽子(講談社)
(この記事は2017年9月17日時点の情報です)