あなたは最近、手紙を書きましたか? 私の母は筆まめで、私が一人暮らしを始めた頃からずっと、手紙を書き続けてくれています。以前は便箋に何枚もだったのですが、ここ数年は、季節の柄の鳩居堂のハガキのことが多く、時には毛筆のことも。慌ただしく時間を過ごしていた時代には、ついつい返事がおろそかになっていた私ですが、今は、必ずハガキを書いて送ることにしています。美術館に行くことがあると、母が好きそうなアートのポストカードを買っておき、ポストカードと切手、書きやすい万年筆を一緒に、机の上のきれいな箱に入れています。こうしておくと、手紙を書くことも億劫ではなくなります。メールや電話が当たり前の時代だからこそ、手紙には特別な思いがあるような気がします。紙に向かってペンを走らせるときは、「その人のことを思っている時間」。その集積が手紙という形なのではないでしょうか? 箱いっぱいの母の手紙は、私の大切な宝物です。